2024/05/04

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政治

アフリカ豚コレラ対策、手荷物検査対象を東南アジア全域に

2019/09/06
台湾のアフリカ豚コレラ中央災害対策センターは6日、台湾桃園国際空港(台湾北部・桃園市)でのX線検査装置を使った手荷物検査の対象を東南アジア全域に拡大した。(行政院農業委員会の陳吉仲主任委員フェイスブックページより)
台湾のアフリカ豚コレラ中央災害対策センターはきょう(6日)から、台湾桃園国際空港(台湾北部・桃園市)でのX線検査装置を使った手荷物検査の対象にマレーシア、シンガポール、インドネシア、ブルネイを追加し、東南アジア全域に拡大した。豚の伝染病であるアフリカ豚コレラがアジアで猛威を振るい、現在も中国大陸、ベトナム、ラオス、ミャンマーなどで新たな感染が確認されているため。
 
桃園国際空港ではすでに、アフリカ豚コレラの発生が確認された、あるいはその周辺の国や地域である中国、香港、マカオ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイ、北朝鮮、韓国、ロシア、フィリピンの12カ国・地域からの渡航者を、X線検査装置を使った手荷物検査の対象としている。そのうち北朝鮮とラオスの2カ国のみは、台湾に直航便が乗り入れていない。
 
新たに追加されたマレーシア、シンガポール、インドネシア、ブルネイは、現段階ではいずれもアフリカ豚コレラの発生が確認されていない。そのうちシンガポールは口蹄疫の発生国でもないため、豚肉製品の持ち込みが発見された場合、罰則は1万台湾元(約3.4万日本円)以上となる。また、口蹄疫の発生国であるインドネシア、ブルネイ、マレーシアの3カ国については、罰則が3万台湾元(約10万日本円)以上となる。
 
中華圏ではまもなく中秋節(旧暦8月15日。今年は新暦9月13日)を迎えることから、海外からの「月餅」の持ち込みが増えている。「月餅」は豚肉を含むものもある。8月1日から9月4日までの間に摘発された豚肉入り「月餅」は合計18件に達する。そのうち1件はアフリカ豚コレラの発生が確認されていない日本からのもので、罰則として1万台湾元の過料が科された。残り17件は、アフリカ豚コレラが発生している中国大陸、香港、マカオ、ベトナムから持ち込まれたもので、いずれも罰則として20万台湾元(約68万日本円)が科された。
 
また、アフリカ豚コレラの侵入を防ぐために水際対策が強化されてから現在までに、中国大陸やベトナムから台湾に持ち込まれ、摘発された豚肉製品のうち、実際にアフリカ豚コレラのウイルスが発見されたものは中国大陸からが113件、ベトナムからが21件だった。8月だけで見ると、摘発された豚肉製品のうち、実際にアフリカ豚コレラのウイルスが発見されたものの比重は、中国大陸が13.7%、ベトナムが28.9%といずれも高い数字を示している。このことから、アフリカ豚コレラが依然猛威を振るい、ウイルス侵入のリスクが極めて高い状況にあることが分かる。
 

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