2024/04/29

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台湾高鉄が屏東まで延伸へ、ルートは未定

2019/09/11
台湾高鉄の屏東延伸計画のルート候補は、「左営ルート」、「燕巣ルート」、「高雄ルート」、「小港潮州ルート」の4案。そのうち、建設経費が最も安い「左営ルート」が有力視されている。(中央社)

行政院(内閣)の蘇貞昌院長(首相)は10日、台湾高速鉄道(台湾高鉄)を台湾南部・屏東まで延伸させることを明らかにした。ただし、延伸ルートについては引き続き検討が必要だとした。

 

台湾高鉄は延伸計画について、ルートの精査、予算編成、財務計画、建設方法などはまだ不確定要素が多く、コメントできないとした。将来の経常損益については、列車の本数や利用者などに関連して、政府が評価を行う予定だが、台湾高鉄は、2015年に台湾北西部・苗栗駅、中部・彰化駅と雲林駅の新駅を開業しており、それらの経験を喜んで政府と共有したいと述べた。

 

台湾高鉄の統計によると、今年の7月までで、苗栗駅の利用者数は毎月延べ7万人を超えており、4月は8万人余りだった。彰化駅は、延べ5万1,000から6万6,985人で旧正月休みのあった2月は延べ7万人以上だった。雲林駅は、延べ11万から12万人で、2月は延べ13万人に達した。

 

交通部は屏東延伸計画のルートの選定について、今月末に審議会を開き、、学者・専門家7名と各省庁や地方政府など関連機関の代表者を召集し、ルートを決定させたいとしている。

 

屏東延伸計画のルート候補4案のうち、高鉄の現在の南部終点、左営駅(台湾南部・高雄市)から延伸する「左営ルート」案は、建設経費が最も低く、有力視されている。このルートの走行距離は17.5キロメートルで、建設に係る総経費は554億台湾元(約1,890億日本円)。

 

交通部による審議会で、左営ルートが採用されれば、既にフィージビリティスタディーの結果が出ていることから、直ちに行政院への報告が可能だ。その後、行政院での承認を得て、総合計画策定と環境評価を進める。この期間が約1年から1年半。環境評価や用地取得が順調に進めば、行政院で総合計画が決定した後、約10年の建設期間を経て、早ければ2031年にも工事が完了するとみられる。

 

一方、その他の候補、燕巣ルート(高雄市燕巣~屏東)も、既にフィージビリティスタディーを完了した。このルートの走行距離は13.2キロメートルと最短で、建設経費は561億台湾元(約1,910億日本円)。

 

また、高雄ルート(台湾鉄路の高雄駅経由で屏東へ)は当初、充分な用地の確保ができないと考えられ、却下されていた。しかし再度精査したところ、上下二段のトンネルを建設することで、問題を解消できることがわかり、候補案に加えられた。ただし、走行距離が24.9キロメートルに渡り、建築経費は1,217億台湾元(約4,150億日本円)に達するとみられる。最後の高雄市の市街地を通る小港潮州ルート(高雄国際空港経由で屏東県潮州へ)は、用地確保のための立ち退き・解体ケースが大量なことから排除されていたが、高雄ルートと同じく追加で候補案となった。走行距離は36キロメートルで、建設経費は1,500億台湾元(約5,115億日本円)を越えると予測されている。

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