2024/05/20

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辜厳倬雲植物保種センターが絶滅危惧植物3種の繁殖に成功、屏東県庁舎周辺に移植

2019/09/16
絶滅危惧植物の保全に努める辜厳倬雲植物保種センターが、屏東県で大きな観賞価値を有する植物として「屏東豆蘭」、「台湾捲瓣蘭」、「鵝鑾鼻燈籠草」を選び、同県庁舎周辺に植えた。写真は左上から時計回りに、移植にあたっての寄贈セレモニー、「鵝鑾鼻燈籠草」、「屏東豆蘭」、「台湾捲瓣蘭」。(写真は左上から屏東県提供、翁禎霞氏撮影、屏東県提供、翁禎霞氏撮影。いずれも聯合報より)
絶滅が危惧される植物の種の保全に努めている辜厳倬雲植物保種センター(Dr. Cecilia Koo Botanic Conservation Center, KBCC)がこのほど、台湾南部・屏東県で大きな観賞価値を有する植物として「屏東豆蘭(Bulbophyllum pingtungense)」、「台湾捲瓣蘭(Bulbophyllum taiwanense)」、「鵝鑾鼻燈籠草(Kalanchoe garambiensis)」の3つの植物を選び、屏東県庁舎の周辺に植えた。屏東県は今年初め、同センターを運営する辜厳倬雲植物保種及環境保護発展基金会との間で、屏東県における絶滅危惧植物保護に向けた協力意向書を交わしており、今回はその協力範囲を拡大したかたち。
 
これら3つの植物は屏東県にとっての貴重な資産。そのうち「鵝鑾鼻燈籠草」はかつて、同県墾丁のどこでも見られる植物だったが、過度な採集によって絶滅が危惧されるまでになった。その後、辜厳倬雲植物保種センターが繁殖で成果をあげているため、今回の移植が決定した。同センターでは、1人でも多くの人に「鵝鑾鼻燈籠草」を知ってほしいと期待すると共に、同センターを離れた植物が移植先の環境に適応できるようにと願っている。
 
辜厳倬雲植物保種及環境保護発展基金会による「屏東豆蘭」、「台湾捲瓣蘭」、「鵝鑾鼻燈籠草」という3つの固有種、もしくは稀少植物の復活に向けた取り組みでは、屏東県における生息地から少量の個体を辜厳倬雲植物保種センターに移して育成、現在では250株以上に増やすことに成功しているという。
 
辜厳倬雲植物保種センターは近年、「百種興盛(興隆)行動」を推進、これまでに97の種を収集した。その半数は台湾の在来種。このほど屏東県庁舎の周辺に移植された「屏東豆蘭」、「台湾捲瓣蘭」、「鵝鑾鼻燈籠草」はいずれも同プロジェクトの対象で、同センターでは今後も各地の特色を持つ植物をそれぞれの県や市に送り、その植物に最も適した環境に戻していきたいと希望している。
 
辜厳倬雲植物保種センターは数年前にも「武威山烏皮茶(Pyrenaria buisanensis)」を屏東県に贈り、庁舎周辺に移植。また、自生地である来義郷、泰武郷などの郷役場と協力して巡回保護にあたってきた。今では登山客が山で「烏皮茶」に近づくと、常に注意を促す人がいるなど巡回保護が一定の効果を発揮しているほか、植物の種を守ろうとする意識が高まっていることが分かるという。
 
 

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