2024/04/30

Taiwan Today

政治

APEC女性と経済フォーラム 、台湾はジェンダー主流化重視を訴える

2019/10/08
APEC(アジア太平洋経済協力会議)の女性と経済フォーラム(WEF)ハイレベル政策対話が9月30日から10月5日までチリのラ・セレナで開催された。台湾からは行政院(=内閣)の羅秉成政務委員(=無任所大臣。後列右から4人目)が出席し、ジェンダー主流化の重視を訴えた。(行政院サイトより)
APEC(アジア太平洋経済協力会議)の女性と経済フォーラム(WEF)ハイレベル政策対話が9月30日から10月5日までチリのラ・セレナで開催された。台湾からは行政院(=内閣)の羅秉成政務委員(=無任所大臣)が出席した。
 
代表団を率いて同対話に出席した羅秉成政務委員は、今年の会議のテーマである「女性の経済参与の促進」に沿って、台湾におけるジェンダー主流化(gender mainstreaming)の取り組みや、女性の経済参与促進の成果などを紹介した。また、APECに参加する各国代表や大臣がジェンダー主流化を通して各省庁職員のジェンダー配慮意識を高めること、フォーラムなどでの協力を通して科学技術のジェンダード・イノベーションズ(性差研究に基づく技術革新)を推進し、女性による非伝統部門への参与を全面的に促進すること、女性の経済参与を阻む障壁や課題を解決して女性の経済的エンパワーメントや包摂的成長という目標を達成できるようにすること、などを訴えた。
 
APEC女性と経済フォーラムは近年、フォーラムやタスクグループの枠組みを超えて女性の経済参与を推進する計画を提案するよう提唱している。主催機関は今回の会議で、6項目の助成計画を発表。台湾からは、行政院性別平等処(日本の内閣府男女共同参画局に相当)が「アジア太平洋地域の女性建築人材が切り開く包摂的未来」、経済部(日本の経済産業省に相当)が「女性スタートアップ企業のアクセラレーターイニシアチブ」、労働部(日本の厚生労働省に類似)が「ニューメディアの活用による女性のエンパワーメントの促進」、教育部(日本の文部科学省に類似)が「デジタルイノベーションと起業フォーラム(二):若手経営者の能力構築と連携」と題するプロジェクトを提案し、4項目全てが採択された。
 
台湾はこの会議の開催期間中、現地で「Women Sparkling in Smart Agriculture(=スマートアグリで女性を輝かせる)」というテーマでワークショップを開催。羅秉成政務委員のほか、フィリピン代表団の団長であるRhodora Masilang-Bucoy氏が挨拶をした。会場では、スマートテクノロジーで女性農家をサポートする政策が紹介されたほか、台湾とフィリピンが共同制作した関連のプロモーションビデオが上映され、環境に優しい、サステナビリティ、イノベーションなどの各方面から、女性の参与とスマートアグリ発展のチャンスと戦略が紹介された。このワークショップで台湾は、チリ、ニュージーランド、フィリピンなどAPECエコノミーの代表らと意見交換を行った。
 
なお、台湾代表団の一員として参加した帝霖股份有限公司(TELOME SEED CO., LTD)の楊佳慈執行長は今年、ロシアで開催された女性経営者対象のビジネスコンテスト「APEC BEST Award (=APEC Business Efficiency and Success Target Award)」に台湾代表としてエントリーした。楊佳慈執行長はチリで行われた各国代表のプレゼンに挑み、台湾の政府が推進する「新農業政策」と、それが目指すジェンダーの融合、国際社会と足並みをそろえるための取り組みを紹介した。また、自分の経験と知識を起業に活用した自身の経験を伝え、「Highest Growth Potential賞」を獲得した。台湾人女性が同賞を獲得するのはこれが初めてのこと。
 
APEC女性と経済フォーラムで台湾はこれまで、フォーラムの枠組みを超えて女性がイノベーション技術を積極的に活用するよう率先して提唱してきた。また、フォーラムの枠組みを越えた協力によるジェンダード・イノベーションズの運用、女性が非伝統分野にも進出できるような計画の推進、男女間賃金格差解消の加速、女性リーダーの育成などを訴え、アジア太平洋地域の女性のために声を上げている。
 

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