2024/05/05

Taiwan Today

政治

清仏戦争から135年、新北市の特別展で文化と芸術を通して歴史を体験

2019/10/08
新北市文化局が「清仏戦争」のうち台湾の淡水で起きた戦闘から135年を記念する特別展を開く。特別展ではインスタレーション、演劇公演、パレード、「踊りによる」解説などが行われる。写真は淡水古跡博物館での体験コーナー。(新北市立淡水古跡博物館提供、中央社)
台湾北部・新北市の文化局が「清法戦争滬尾之役」から135年を記念する特別展を開く。「清法戦争滬尾之役」とは1884年に起きた清とフランスの戦争「清仏戦争」における「滬尾」(現在の新北市淡水区)での戦闘のこと。特別展では歴史の紹介、インスタレーション設置、文化の道、叙事演劇公演、芸術パレード、ダンスパフォーマンスなどが行われる。
 
1884年の「清仏戦争」からは当時のフランス、ベトナム、中国、台湾、日本などの国際情勢がうかがえるほか、当時の湘軍総指揮官、孫開華が淡水の河口で行った戦闘配備や戦略を知ることも出来る。湘軍とは清の時代に湖南地方で組織されていた軍隊のこと。
 
新北市立淡水古跡博物館は10月25日から27日まで、淡水区にある真理大学の音楽ホールで「清仏戦争135周年国際シンポジウム」を開き、フランス、ベルギー、日本、中国大陸からの専門家、並びに台湾の最高学術研究機関・中央研究院歴史言語研究所の陳国棟研究員らを招いてこの戦争について意見を交わす。当時フランスに抵抗した孫開華から6代目の子孫、孫培厚氏も出席する。
 
「古戦場めぐり」では当時フランス軍が上陸した沙崙海岸を歩き、清末期の台湾が唯一勝利し、歴史の大きな転換点となったこの重要な戦いをさらに理解する。また、淡水の「海関碼頭」(税関埠頭)C棟倉庫に設置される「滬尾之役体験館」では、当時台湾を守った清の軍隊が、淡水が有する地理的な強みをいかに利用してこの戦闘に勝利したかを知ることが出来るという。
 
さらに、淡水の古い町並みが残る観光地である「淡水老街」の先にある「観潮芸術広場」には「清法戦役滬尾時空再絵」と銘打ったインスタレーションが設置される。このインスタレーションでは最新のプロジェクションマッピング技術と携帯電話とを連動させた斜投影技術で、透かしと切り紙の効果を1つにして「滬尾之役」の情景を再現する。
 
ダンスを使った「没入型の解説」である『任務1884』は台湾のグラミー賞と呼ばれるゴールデンメロディ・アワード(金曲奨)を受賞した謝銘祐氏と新世代の振付師、王宇光氏が制作。16日から19日までに10回の創意に満ちた「解説」を行う。観客たちを様々な仮想の歴史現場に誘い、ソロでのダンスや群舞で過去と現在とを表現、また環境音と音楽が響きあう中で、歴史上の事件を改めて解釈してみせる。人々に「滬尾之役」における戦火の激しさと切迫感を感じてもらい、軍民一体となってふるさとを守った物語を再現するため、『任務1884』では音楽、照明、舞踊、戦いが起きた現場の雰囲気を通して淡水という場所の歴史の記憶を呼び起こし、地元の人々の人生と結びつけるという。
 
 

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