2024/05/04

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「素晴らしい物語の島」、台湾パビリオンがフランクフルト・ブックフェアに登場

2019/10/17
台湾がフランクフルト・ブックフェアに出展。台湾を「素晴らしい物語の島」として山と海の知恵や自然景観をアピールするほか、様々なコーナーで台湾の優れた図書を売り込んでいく。写真は「台湾パビリオン」で記念撮影するHOMさん(左から3人目)、常勝さん(同4人目)、廖鴻基さん(同5人目)、夏曼・藍波安さん(右から3人目)、陳漢玲さん(同1人目)。(文化内容策進会提供、中央社)
フランクフルト・ブックフェアが16日から20日までドイツのフランクフルト・アム・マインで開催されている。中華民国(台湾)は今年、「台湾:故事之島 TAIWAN:ISLAND OF AMAZING STORIES」(台湾:素晴らしい物語の島)をコンセプトとしたパビリオンを出展し、世界の舞台を目指す決意で台湾の持つ最も魅力的な「自然」と「ストーリー」を伝えている。「台湾館(台湾パビリオン)」が設けられているほか、台湾の厳選したオリジナル図書の展示や外国語書籍の販売も実施、さらには「漫画館」も開設して台湾の漫画やイラストを世界に紹介。同時に文学の作家や漫画家を会場に招き、関連の交流活動や版権に関する商業的なマッチング、出版の現状についての座談会など数々のイベントを行っている。なお、今回の出展は文化部(日本の省レベル)が計画、財団法人台北書展基金会(台北ブックフェア基金会)が執行している。
 
今年のフランクフルト・ブックフェアに参加する台湾の文学作家には、台湾の展示テーマである「山と海の知恵の伝承」に合わせ、アウトリガーカヌーで南太平洋を航海した夏曼・藍波安(シャマン・ラポガン)さんと、海洋の生態系保護に長年関心を寄せ続ける廖鴻基さんが選ばれた。台湾で現在、非常に重要とされる海洋文学作家であるこの2人は、異なる角度から自然に関する書籍に記されたヒューマニズムを共有する。文化部はまた、国立台湾文学館と協力し、この2人の代表的な作品である『老海人』と『鯨生鯨世』から一部の作品を抜き出し、外国語に翻訳したパンフレットを作成して2人を世界に紹介している。
 
漫画家ではユニークなスタイルの作品で知られる常勝さん、HOM(本名:翁瑜鴻)さん、陳漢玲さんの3人が参加。常勝さんはファンタジックな味わい、及び立体的でリアルなキャラクターで台湾や日本の漫画賞を度々受賞している。今回は最近大型本の規格で製作し、400ページに達する大作の『九命人』を展示した。また、インターネットから生まれた人気作家のHOMさんは台湾では珍しいオールカラーの漫画作品で知られる。題材は生活上の経験や見たこと聞いたこと。デビュー作の『大城小事』は現代の台湾における都市文化と人々の姿を伝えて大ヒットした。そして漫画家であると同時にプロのコスプレイヤーでもある陳漢玲さんはデビュー作でいきなり賞を受けるという活躍ぶり。その作品は少女漫画の美しいキャラクターと少年漫画のスタイルをいずれも備える。今回は独特の「台湾流」漫画の技術とコスプレの道具を使ったテクニックで、欧州の漫画ファンたちと交流するという。
 
今回初めて設置された「漫画館」は「台湾の漫画の森」をタイトルに、台湾のオリジナル漫画の奥深さと多様性を紹介する。また、「国宝級」漫画家の故・鄭問氏の特別展も開催。鄭門氏の生前の傑作、『門神』、『刺客列伝』、『阿鼻剣』のほか、画集や鄭問氏がキャラクターデザインなどで開発に参加したコンピューターゲームなどが展示される。
 
「台湾パビリオン」ではブックフェア全体のテーマに呼応し、『TAIWAN:ISLAND OF AMAZING STORIES』を企画、2018年から2019年にかけて出版された書籍や台湾の美しい物語を伝える図書、並びに自然を描く力に満ちた、様々な分野の優良書籍を紹介している。
 
また、「推薦作家コーナー」、「出版社コーナー」、「台湾の厳選優良図書」、「版権商談コーナー」、「BFT(ブック・フロム・タイワン)版権推薦コーナー」、「マルチメディア出版物コーナー」などの専門エリアを設け、台湾の出版社117社の出版物832点を展示している。「BFT」は台湾図書の版権を海外に販売していこうとする文化部のプロジェクトのこと。
 
毎年10月に開催されるフランクフルト・ブックフェアは世界最大規模で極めて重要な書籍見本市で、出版業界にとって世界で最も注目される舞台でもある。
 
 

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