2024/05/07

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政治

台湾初、AIクラウドサービスプラットフォーム「台湾AI雲」が商業運転へ

2019/10/18
台湾初のAIクラウドサービスプラットフォーム「台湾AI雲(台湾コンピューティング・クラウド、略称TWCC)」が今月、正式に商業運転を開始する。今年5月に始まった試験運転では、すでに150組のチームが利用している。写真は17日に開催された「台湾AI雲」の産業利用をテーマにしたサミットの様子。(科技部サイトより)
科技部(日本の文部科学省に類似)傘下の研究機関である財団法人国家実験研究院(NARLabs)国家高速網路與計算中心(National Center for High-performance Computing、略称NCHC)が主導し、台湾の民間企業である台湾大哥大(台湾モバイル)、広達電脳(クアンタ)、華碩(ASUS)の3社が組織する台湾AIナショナルチーム「A Team」はこのほど、人工知能(AI)向けスーパーコンピュータ「台湾杉二号(タイワニア2)」の構築に続き、台湾初のAIクラウドサービスプラットフォーム「台湾AI雲(台湾コンピューティング・クラウド、略称TWCC)」を完成させた。今月中に正式な商業運転を開始する。今年5月に始まった試験運転では、すでに150組のチームが利用している。
 
「台湾AI雲」は、搭載しているGPUの半分の演算資源を提供し、各産業が使用できるようにする。残り半分は、学術研究のために使用する。すでに運転時間は800万コアアワーを超え、システム使用率は9割以上になる。
 
「台湾AI雲」の構築に協力した3社のうち、華碩(ASUS)は機械学習のプラットフォームの開発を担当した。台湾大哥大(台湾モバイル)はインターネットセキュリティとデータベースの構築を、広達電脳(クアンタ)はCPU/GPU演算処理装置とストレージ設備のプラットフォーム構築を担当した。「台湾杉二号」は2018年11月、スーパーコンピュータの計算速度を格付けする世界ランキング「TOP500」で過去最高の20位に、スーパーコンピュータの性能/消費電力を格付けする「Green500」では世界10位にランク付けされた。いずれも台湾の歴史を塗り替えるもの。
 
財団法人国家実験研究院国家高速網路與計算中心は、AIセキュリティシステムの開発を得意とするスタートアップの盾心科技(UMBO CV)と協力し、国家高速網路與計算中心の「台湾AI雲」が持つ演算能力と、盾心科技が開発した自律型AIセキュリティシステムの技術を融合させ、映像監視の分野に応用したいと考えている。盾心科技のセキュリティシステムは、ただモニターに映し出すというだけでなく、画面に映る物品や動きを正確に認識することができる。また、対象物との距離を調整することも可能で、より視野の広い場所でもモニターを応用することが可能だ。「台湾AI雲」の資源を活用することで、5年以内に認識度を100倍に高め、誤報率ゼロを目指す。
 
国家高速網路與計算中心によると、「台湾AI雲」はコアアルゴリズムの演算を助けるほか、映像モニターの自立学習のモデルをレベルアップさせることができる。現在「台湾AI雲」が提供するサービスを使えば、AIの自主学習モデルの訓練時間を70%と大幅に削減でき、これまで168時間必要だった演算時間が48時間に減る。このため、AIソフトウエアの学習がよりスピーディーに、より正確になることが期待されている。
 
 

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