2024/05/06

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政治

米国、台湾産グアバの輸入解禁へ

2019/10/18
作付面積ベースで台湾5番目を誇る果物、グアバ。米国農務省動植物検査局(APHIS)は、台湾産グアバの輸入に関する検疫規定を発表した。米国がグアバの輸入を認めるのは、アジアでは台湾が初めてとなる。(外交部国際伝播司)
米国農務省動植物検査局(APHIS)は、台湾産グアバの輸入に関する検疫規定を発表した。米東部時間17日より発効する。米国がグアバの輸入を認めるのは、アジアでは台湾が初めてとなる。
 
台湾はミカンコミバエ、ウリミバエ、カボチャミバエの発生地域だ。グアバはこうしたミバエ類が寄生するため、米国に輸入を認めてもらうためには、さまざまな検疫上の課題を克服する必要があった。行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は2009年以降、米国側に資料を提出し、台湾産グアバの輸入解禁を求めてきた。その後、双方は書面審査を繰り返し、職員を台湾に招いて実地調査を行うなど、話し合いを続けてきた。その結果、ついに米国側が台湾産グアバの輸入に関する検疫規定を発表するに至った。
 
新たな規定の発効を受け、これから米国と台湾産グアバの輸入に関するワークプランに署名することになる。米国と台湾はすでにワークプランの詳細について合意しており、署名完了後、台湾のグアバ農家と業者はワークプランに基づき、規定に合致したグアバを輸出することになる。台湾の農業委員会動植物防疫検疫局も、農家や業者が規定に合致したグアバを輸出できるよう協力する。
 
グアバは台湾で作付面積が5番目に大きい果物。その作付面積は7,300ヘクタール、生産量は約18万トンに上る。主要な産地は台湾南部・高雄市が36%を占め、次いで台湾南部・台南市(20%)、台湾中部・彰化県(17%)と続く。主要な品種は「珍珠芭楽」と呼ばれるもので、全体の95%以上を占める。
 
農業委員会の資料によると、台湾産グアバの輸出相手のトップはカナダで、次いで中国大陸、香港、シンガポールと続く。今年9月までの輸出量を見ると、総輸出量は4,204トンで、カナダ向けが50%(約2,143トン)を占めている。その大部分が台湾南部・高雄市で生産されたグアバだ。その他は中国大陸向けが695トン、香港向けが699トン、シンガポール向けが458トンとなっている。
 
グアバの主要な産地である高雄市阿蓮区、彰化県渓州郷、台湾中部・雲林県古坑郷の農家たちは、米政府による台湾産グアバ輸入解禁を歓迎している。
 
台湾最大のグアバの産地である高雄市の中でも、生産量が最も多いのは燕巣区だ。しかし、燕巣区のグアバは内需市場向けが中心で、輸出量が最も多いのは高雄市阿蓮区となっている。阿蓮区は年間約1,200トンのグアバを生産し、その3分の1に当たる400トンを海外へ輸出している。
 
彰化県渓州郷は約450ヘクタールの農地でグアバを栽培している。過去にはカナダ向けに輸出していたが、コストが高いため輸出の機会は減っている。
 
雲林県古坑郷のグアバも、ほかの産地のものに劣らない。一部の農家は高級化路線を選び、品質が良く、糖度の高いグアバを生産している。こうしたグアバは1箱20キログラムで1,000台湾元(約3,550日本円)の値段がつくほどだ。
 
 

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