2024/05/07

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蔡佳璇さんと陳世霖さん、「チェロとスイーツの遭遇」音楽会を開催

2019/10/18
バロック音楽を聴き、スイーツを楽しみながら歴史から見た両者の関係が学べるというユニークな演奏会が台北市内で開かれる。写真は(左から)蔡佳璇さん、廖璽喬さん、陳世霖さんが演奏会に向けて合同練習を行っているところ。椅子やピアノの上にはスイーツも置かれている。(中央社)
お菓子を食べながら音楽を楽しむ演奏会は珍しくないかもしれないが、演奏会の会場で文化の奥深さを耳で聴き、舌で味わえるとしたら大変興味深い。台湾のグラミー賞とされるゴールデンメロディ・アワード(金曲奨)の「伝統及び芸術音楽類」で受賞経験のあるチェンバロ奏者の蔡佳璇さんがこのほどチェンバロの演奏会をスイーツと融合させ、分野を超越した「狂想曲」を披露する。
 
これは「大鍵琴的甜點狂想-聆賞古今、品味幸福(チェンバロのスイーツ狂想曲-古今を鑑賞して幸福を味わう)」演奏会で、バロック時代のドイツ、フランス、イタリアにおける最も重要なチェロの楽曲を演奏。そして三大音楽テーマに合わせた3種類のフランス菓子と合わせ、フランスのスイーツの歴史とバロック音楽の歴史との関係を解説する。
 
蔡佳璇さんは昨年、アルバム「古今狂想-大鍵琴音楽詩画」で第29回「伝統及び芸術音楽類」ゴールデンメロディ・アワードの最優秀芸術音楽アルバム賞を受賞した。今回の「スイーツ演奏会」における曲目は主にバロック時代の音楽で、出される3種類のスイーツも全て音楽の歴史と関係あるもの。例えばシュークリームに合わせて蔡佳璇さんは2人のバロック音楽家を選んだ。1人はジャン=バティスト・バリエールで曲は「 チェロと通奏低音のためのソナタ ハ短調」。もう1人はフランチェスコ・ジェミニアーニで曲は「チェロ・ソナタ イ長調」。
 
著名なチェロ演奏家の陳世霖さんによると、シュークリームが生まれたのは18世紀にフランス・パリで行われたある結婚式。陳さんは、「当時、ドイツとフランスの間では戦争が続いていたため、政略結婚によって停戦することにした。その披露宴では小さなシュークリームを塔のように積み上げた。それでシュークリームは平和の象徴になったのだ」と話す。陳世霖さんは、「音楽と食物はいずれも歴史と文化の産物であるばかりでなく、共に『愛』と『共有』に満ちている」として今回の演奏会が広く受け入れられるよう希望した。陳世霖さんはチェリストからパティシエに転身。現在はフランス菓子の店「ISM Patisserie主義甜時」の創業者でもある。
 
蔡佳璇さんはバロック音楽の歴史に強いこだわりを持つ「オタク」。陳世霖さんはパエィシエへの転身を果たすなど、枠を打ち破る勇気を持つ。さらに若手チェリストの廖璽喬さんが加わり、演奏会に向けた3人による合同練習では互いに火花を散らせたという。
 
「大鍵琴的甜點狂想-聆賞古今、品味幸福」演奏会は19日の午後と夜の2回、国立伝統芸術中心(国立伝統芸術センター)の施設である台湾戯曲中心(台湾戯曲センター、台湾北部・台北市)の3102多機能ホールにて行われる。国立伝統芸術センターではコンサート及び劇場での飲食を禁じているが今回は例外だということ。
 
 

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