2024/05/19

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政治

「国際カトリック大学連盟」総会、輔仁大学の学長が講演

2019/11/07
「国際カトリック大学連盟(IFCU)」の総会が今月4日と5日の両日、バチカンで開催され、私立輔仁大学(台湾北部・新北市)の江漢聲校長(=学長。写真左)が台湾を代表して出席し、講演を行った。写真右はローマ教皇フランシスコ。(私立輔仁大学サイトより)
世界的なカトリック大学の連携組織である「国際カトリック大学連盟(International Federation of Catholic Universities、略称IFCU)」の総会が今月4日と5日の両日、バチカンで開催された。「NEW FRONTIERS FOR UNIVERSITY LEADERS THE FUTURE OF HEALTH AND THE UNIVERSITY ECOSYSTEM(=大学リーダーのための新たなフロンティア:健康と大学エコシステムの未来)」をテーマにした総会では、私立輔仁大学(台湾北部・新北市)の江漢聲校長(=学長)が台湾を代表して出席し、講演を行った。一行は4日、ローマ教皇フランシスコにも謁見した。
 
私立輔仁大学の江漢聲校長によると、江漢聲校長はローマ教皇庁の要請を受けてスピーカーを引き受けた。講演のテーマは「Medical Schools, Health Education and Catholic Teaching: opportunities, problems and best practices(=医学部、健康教育、カトリック教育:機会、問題、ベストプラクティス)」。江漢聲校長はまず、台湾の健康保険制度と医療の現状について紹介。また、台湾の合計特殊出生率は2010年に過去最低の0.9%に落ち込み、国連から「世界で最も合計特殊出生率が低い国」の一つに挙げられたこと、一方で台湾の平均寿命は世界43位で、発展途上国の中では高齢化が最も深刻な国の一つであり、65歳以上のシニア人口が総人口に占める割合は2018年に14.36%に達したことなどを説明した。
 
江漢聲校長は、「少子化に加え、高齢化が進む中、高齢者の長期介護が今後最大の課題となる。台湾はハイテク国家であり、現在は人工知能(AI)の応用で長期介護をサポートすることに積極的に取り組んでいる。しかし、道徳上の問題を回避するためにも、こうしたテクノロジーの使用は倫理に合致したものでなければならない」と述べた。
 
中国大陸ではカトリック系の大学の設立が許されていないことから、私立輔仁大学は台湾と中国大陸を含めた地域で唯一のカトリック系の大学となる。このため会場からは、「台湾のこうした良い措置や取り組みで、中国大陸のカトリック信者を助けることはできるか」との質問が出た。これに対して江漢聲校長は、「教育とは、優れた意思疎通のプラットフォームを提供することだ。台湾の教育部(日本の文部科学省に類似)は中国大陸からの留学生が台湾に来ることを認めている。輔仁大学でも毎年、学部及び修士・博士課程を通して、全体で約150名の中国人学生を受け入れており、台湾でも中国人学生が最も多い学校となっている。輔仁大学が実施する、優れた学生を対象とした交換学習のプログラムにも、こうした中国人学生が多く参加している」と説明した。
 

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