2024/05/01

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ITRI、2分野で「CES 2020イノベーションアワード」受賞

2019/11/12
財団法人工業技術研究院(ITRI)が開発した高齢者見守りロボット「PECOLA」と多機能インテリジェント・ウェアラブルシステム「iStimUweaR」が米「CES 2020イノベーションアワード」を受賞した。写真は高齢者見守りロボット「PECOLA」。見守りの対象である高齢者が転倒すると、高齢者の家族に電話を掛けて知らせる。(工業技術研究院サイトより)
財団法人工業技術研究院(工研院、ITRI)はこのほど、米CES(世界最大級の家電・電子機器の見本市)の出展企業・製品の中から特に優れたものに贈られる「CES 2020イノベーションアワード」を、スマートホーム部門とウェアラブルテクノロジー分野の2分野で受賞した。スマートホーム部門で受賞したのは高齢者見守りロボット「PECOLA」、ウェアラブルテクノロジー分野で受賞したのは多機能インテリジェント・ウェアラブルシステム「iStimUweaR」。いずれもAI(人工知能)とインテリジェント・システムのテクノロジーを導入した、スマートで生活をより便利にしてくれる技術だ。
 
ITRIがCESイノベーションアワードを受賞するのは3年連続のこと。消費者にとって魅力のある商品を評価するこの賞は、市場に焦点を当てたITRIの研究・開発の成果や、民間企業がスピーディーに応用商品を開発できるように協力するITRIの取り組みを評価するものだと言える。
 
そのうち高齢者見守りロボット「PECOLA」は、「環境知能(Ambient Intelligence)」の技術を運用し、高齢者の食事、睡眠、健康、感情などを観察し、収集した情報を家族と共有するもの。高齢者とその子女に話題を提供し、意思疎通を図らせることを目的とする。「PECOLA」は顔認識機能を使って「見守り」の対象となる人物を設定し、且つその人物に寄り添い、サポートをする。映像処理技術でその食事内容を分析し、食前・食後の食事内容を比べることで、飲食状況を帰納する。さらに、高齢者の夜間の睡眠や生理状況を把握するため、「PECOLA」はWi-Fiの通信機能を利用して、睡眠時の呼吸を測定することもできる。このほか、高齢者の家族が最も心配するのが、高齢者が自宅内で転倒することだ。「PECOLA」はディープラーニング機能を活用し、高齢者が転倒した場合、家族に自動的に電話を掛けてこれを知らせてくれる。双方がカメラを使って通話ができるようにすることで、自宅内でのセキュリティを強化する。
 
理学療法士を含む人々が患者の治療をする場合、「低周波治療」によって筋肉をリラックスさせ、一時的に痛みを和らげることがある。適度な電流を体内に流入することで、神経系統に刺激を与え、患者の筋肉をリラックスさせることで、痛みを和らげたり、違和感を軽減したりする効果が得られる。ITRIの多機能インテリジェント・ウェアラブルシステム「iStimUweaR」は、低周波治療と衣類を融合させた健康サポートシステムだ。スマートフォンにダウンロードした専用アプリによって、人体にとって快適な状態を分析。システムが身体の状況に応じて、着用している衣類を通して直接、低周波で微量の電気を流して刺激を与え、それぞれの需要に応じて筋力の回復や痛みの緩和などをサポートする。一般の低周波治療のように電極パッドをつなげる必要のない、着たまま歩けて、痛みを緩和してくれる優れものだ。
 
米CESは2020年1月7日から10日まで4日間開催される。これらの製品は、ラスベガス会場に出展するITRIのブースで体験することができる。
 

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