2024/05/06

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国立交通大学が開発のスマートコンタクト、ドライアイにも有効

2019/11/13
国立交通大学の邱俊誠教授率いる研究チームが9年をかけて開発したドライアイ対策に有効な「スマートコンタクトレンズ」。既に動物実験を終え、来年からは臨床試験が開始される予定で、実用化への期待が高まる。(自由時報)
科技部(日本の文部科学省に類似)が主催する「2019未来科技展(FUTEX)」は、12月5日から8日まで台湾北部・台北市の台北ワールドトレードセンター(台北世貿)1号館にて行われる。未来科技展では、世界をリードするハイテク技術を駆使した作品11点が展示される。そのうち、国立交通大学(台湾北部・新竹市)電機工学科の邱俊誠教授が率いる研究チームが開発した「スマート・コンタクトレンズシステム」が大きな注目を集めている。
 
邱俊誠教授によると、「スマート・コンタクトレンズシステム」は、コンタクトレンズ装用者がかかりやすいドライアイ対策にも有効だという。このコンタクトレンズには、ドライアイに関する様々な数値を同時に計測できるシステムが搭載されており、医師によるドライアイ診断をサポートすることができる。さらには、有効な薬の選択や薬の有効性を評価し、治療の回復状況をも把握できるものだという。
 
この技術開発は、邱俊誠教授率いる研究グループが9年かけて研究を重ねて完成させた。先ごろ動物実験を終えて、2020年に臨床試験を開始する計画だ。
 
スマートコンタクトレンズに関する技術開発は海外でも既に進められているが、失敗に終わった例も少なくない。よく知られたところでは、検索エンジン最大手の米グーグル(Google)が進めた「スマートコンタクトレンズ」計画で、コンタクトレンズに小型センサーを搭載し、涙液から糖尿病患者の血糖値を測定するというもの。しかし、正確な血糖値を測定するのは困難だとの結論に達し、2018年に開発が打ち切られた。
 
邱俊誠教授は今後、ドライアイの診断やその症状の計測のほか、AR(拡張現実)機能を組み込んだコンタクトレンズへの開発にも意欲を示している。これは、ゲームなどの娯楽産業において活用でき、視力矯正にも一役買うことが期待される。

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