2024/04/29

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交通大学、非侵襲型血流センサを世界で初めて開発

2019/11/15
台湾北部・新竹市にある国立交通大学電機工程系(=電気電子工学科)の趙昌博・特聘教授(=特別教授。写真左)が率いるチームは世界で初めて、持ち運び可能な「非侵襲型血流センサ」の開発に成功した。趙昌博教授は同時に、新光医院(=病院)腎臓科の林秉熙医師(右)と協力し、このセンサを使用した患者のデータを収集している。(中央社)
台湾北部・新竹市にある国立交通大学電機工程系(=電気電子工学科)の趙昌博・特聘教授(=特別教授)が率いるチームは世界で初めて、持ち運び可能な「非侵襲型血流センサ」の開発に成功した。人工透析が必要な腎臓病の患者が在宅でシャント(動脈と静脈の吻合)の健康状況を測定でき、且つその情報がクラウド上で医師と共有される。シャント閉塞によって生命が危機にさらされる可能性を低減することができる。1年以内に商品化される見通し。
 
台湾では現在、人工透析が必要な腎臓病患者が9万人を超える。シャントの閉塞は、これらの患者が常に憂慮する問題だ。シャントが詰まり、人工透析が出来なくなると、深刻な場合は命を落とす可能性もある。このため、シャントは人工透析が必要な腎臓病患者にとっての命綱とも言える。
 
シャントの検査は時間がかかり、現在は侵襲型の方法が用いられている。しかも、こうした精密機器は医療機関にしかないため、一般患者が使うのは容易なことではない。このため治療のゴールデンタイムを逃してしまいがちだ。
 
こうした状況を改善するため、科技部(日本の文部科学省に類似)の経費助成を受け、国立交通大学電機工程系の趙昌博教授が率いるチームは、4年の歳月を費やして「非侵襲型血流センサ」を開発した。光学機器を使って測定した血流速度や血圧などの数値を利用することで、針を刺す必要のある従来の侵襲型検査に取って代わる。センサは体積も小さいうえ、クラウド上にあるデータベースと結びついているため、患者が自宅で行った検査データをリアルタイムで医師と共有することができる。現在、検査の精度は91%に達している。
 
この技術は現在、治験段階にあり、1年以内の商品化を目指している。
 

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