2024/05/03

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Gogoro電力システムの立役者、米国人エンジニアに「梅花」永久居留証

2019/11/18
交換式バッテリー充電ステーションが台湾全土に普及している電動スクーター、Gogoroの電力システム開発に大きな役割を果たした米国人エンジニアのDaniel Robert Vickeryさん(左)に「梅花」永久居留証が発給された。(内政部移民署提供、中央社)
台湾の電動スクーター、Gogoroの交換式バッテリー充電ステーションが台湾全土に普及していることで、利用者はクリーンで環境に優しい電気エネルギーを便利かつ安く使用することが可能になった。このシステムを整えるのに重要な役割を担ったのが、米国人の「方徳良」(Daniel Robert Vickery)さんである。内政部移民署(日本の出入国在留管理庁に相当)の台北市サービスステーションは17日、台湾の電動スクーター産業に対するDaniel Robert Vickeryさんの功績を称えると共に感謝するとして永久居留証梅花卡(梅花カード)を手渡し、Daniel Robert Vickeryさんが審査にパスしたことを祝った。
 
「梅花カード」は中華民国(台湾)に特別な貢献を果たした外国人、もしくは中華民国(台湾)が必要とする高度専門人材である外国人、そして中華民国(台湾)に投資して事業を行う外国人や中華民国(台湾)の公債に一定金額を超える投資を行う外国人が申請できる特殊な居留証。
 
Daniel Robert Vickeryさんは1988年に米マサチューセッツ州で生まれた。幼少から電気機械に大きな興味を持ち、米国のテレビドラマ『冒険野郎マクガイバー』の主人公のように、様々な器具の発明や改造が大好きだった。マサチューセッツ工科大学(MIT)で電子工学及び計算機工学の修士を取得後、米シリコンバレーのオラクル社に就職してエネルギーシステムの設計に携わった。
 
2013年、Daniel Robert Vickeryさんは友人が香港で立ち上げたスタートアップに参加すると、太陽エネルギーを利用することで、石炭やガスが無くとも料理が出来る調理器を開発した。しかし2014年には、現在では妻となっている女性のため台湾で暮らし始め、翌2015年にGogoroのチームに加わった。
 
Gogoroに参加して4年あまり、Daniel Robert Vickeryさんは電気工学のエンジニア協理(次長に相当)からエネルギーシステムのエンジニアリーダーに昇格、現在では60人の部下を率いるまでになった。現在は電動スクーターGogoroのいっそうの普及に向け、使用者の数に応じてシステムがバッテリーの放電、充電、交換を速やかに行える充電ステーションのサービスを全力で開発しているという。
 
台湾を深く愛し、台湾最高峰の玉山に登頂したこともあるとするDaniel Robert Vickeryさんは日ごろからGogoroに乗って台湾各地を走っている。また、若手エンジニアの募集や育成も担当しており、こうした若手たちと共により安全でスピーディ、省エネかつ環境に優しい電池システムを開発し、持続可能な地球を確保するため出来る限りの責任を果たしていきたいと語る。
 
政府は海外の高度専門人材を誘致するため、「出入国及び移民法」に特殊な永久居留証である「梅花カード」の申請規定を設けている。審査によって規定を満たしていると認められた外国籍の高度専門人材は中華民国(台湾)での居留実績が5年未満でも「梅花カード」の申請が可能。また、「国籍法」及び「外国専業人才延攬及雇用法」(外国籍専門人材の募集及び雇用法)の改正により、台湾に対して特別な貢献を果たした外国人、もしくは台湾が必要とする高度な専門能力を持つ外国人についても、祖国の国籍を放棄せずとも中華民国の国籍を取得できるようにしている。
 
なお、一般の永久居留証と異なり、特殊な居留証である「梅花カード」の所持者は、年間183日以上台湾に滞在していなければ永久居留権が失効するという制限を受けない。
 
 

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