2024/05/05

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台湾産ノンカフェインGABA桑の葉茶、新フレーバーが登場

2019/11/20
血圧降下、精神安定の維持、脳機能改善、記憶力の向上に関する効果が期待できるGABAを多く含みノンカフェインでもあるGABA桑の葉茶。農委会苗栗区農業改良場は今回、新たに3種のフレーバー(麦、高麗人参、フルーツ)を開発した。(中央社)

行政院農業委員会(農委会、日本の農水省に相当)苗栗区農業改良場は19日、「ノンカフェインの桑の葉茶を導入した台湾特有のお茶製造工程」記者会見を開催した。
 
苗栗区農業改良場の呂秀英所長によると、桑の葉に多く含まれるアミノ酸の一種、GABAは、哺乳動物の中枢神経系に存在する抑制性の神経伝達物質で、研究文献では血圧降下、精神安定の維持、脳機能改善、記憶力の向上に関する効果があることが報告されているという。
 
そこで苗栗区農業改良場は今回、農委会茶業改良場と提携して、日本で開発された「ギャバロン茶(佳葉龍茶)」の嫌気処理を行って酸素から遮断する工程を用いたGABA桑の葉茶を製造した。フレーバーは、麦(麦香)、高麗人参(参香)、フルーツ(果香)の3種類がある。それぞれのGABA含有量は、麦が100gあたり570mg、高麗人参が100gあたり466mg、フルーツが100gあたり337mg。GABA桑の葉茶は、日本で販売されているギャバロン茶のGABA含有量の規定、100gあたり150mg以上という基準よりもはるかに高くなっている。
 
農委会茶業改良場は2018年5月末に、「GABA烏龍茶」を発表した。「GABA烏龍茶」は、1987年に日本で開発されたギャバロン茶を改良したもので、ギャバロン茶より酸味が少なく、カフェインによる刺激を中和する効果があるため、効果的に睡眠を促す作用も期待できる。
 
GABA桑の葉茶の開発計画に関わった茶農家の劉家さんは、台湾のメディア、中央社の電話取材に対し、「GABA烏龍茶の研究を行っているときに、桑の葉でもGABAを含んだお茶を製造できることに気が付いた。しかも桑の葉茶はカフェインを含まない。そこで、2003年に農委会茶業改良場と台湾中南部・嘉義県観霧郷農会と共に『GABAを含んだお茶の商品化産学連携プログラム』を開始、同年にはGABA桑の葉茶の販売を開始した。当時販売したGABA桑の葉茶のGABA含有量は100gあたり400mg以上で、顧客のリピート率も高かった」と語った。
 
劉さんはまた、2006年に桑の葉の栽培も開始し、2011年にはGABA桑の葉茶の製造法に関する特許を取得した。さらに台湾の財団法人慈心有機農業発展基金会の有機認証を得て10年がたっている。こうして、台湾を代表するお茶の名産地、阿里山茶区のGABA桑の葉茶は、台湾茶業における自社ブランドにまで成長したが、海外への輸出はまだ展開されていない。
 
なお、農委会茶業改良場の手がけたGABA烏龍茶はすでに、米国、ロシア、英国、フランスなどで販売を開始している。

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