2024/05/02

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新種のアンコウに「フォルモサ」、台湾の名前を世界にアピール

2019/12/05
屏東県の国立海洋生物博物館で副研究員として働く何宣慶さん(写真右)の魚類研究の成果が、今月4日発売の動物分類学の学術誌『ズータクサ(Zootaxa)』最新号に掲載された。写真左上は、今回発見された新種のアンコウの一つ「福爾摩沙夢鮟鱇(Oneirodes formosanus)」、左下は「福爾摩沙海蝠魚(Malthopsis formosa)」。いずれも台湾の美称である「福爾摩沙(フォルモサ)」の名前が入っている。(何宣慶さん提供、中央社)
台湾最南端・屏東県の国立海洋生物博物館で副研究員として働く何宣慶さんが、日本、オーストラリア、タイなどの学者と取り組んできた魚類に関する研究成果が、今月4日発売の動物分類学の学術誌『ズータクサ(Zootaxa)』最新号に掲載された。この研究成果には、1つの新属新種、18の新種発見を含む。
 
18の新種のうち、台湾で発見された2つの新種のアンコウは、何宣慶さんによって「福爾摩沙夢鮟鱇(Oneirodes formosanus)」、「福爾摩沙海蝠魚(Malthopsis formosa)」と命名された。いずれも「福爾摩沙(フォルモサ)」の名前が入っている。「フォルモサ」とはもともと「美しい」という意味の言葉であり、同時に「台湾」の美称でもある。何宣慶さんは「国連管轄下にある国際研究組織で、台湾という名前を探し出すことはできない。しかし、新種の魚に『フォルモサ』と名付ければ、世界の人々に台湾人の貢献を知ってもらうことができる」と話す。
 
「市場の魚博士」と呼ばれる何宣慶さんは弱冠42歳にして、世界トップクラスのアンコウ研究者に名を連ねている。世界で発見されているアンコウ300種以上のうち、10分の1近くは何宣慶さんが発見し、発表したものだ。この功績が認められ、2015年には「中華民国十大傑出青年」に選出された。現在は『台湾魚類生物多様性研究計画』と題するプロジェクトを受け持ち、各国の学者・専門家らと研究を行い、16科に及ぶ魚類の研究を行っている。
 
今回発表された新種のうち、1つの新種のアンコウは「陳氏長角鮟鱇(Gigantactis cheni)」と命名した。これは何宣慶さんがお世話になってきた台湾北東部・宜蘭県大渓漁港の船長、陳丁木さんの名前を取ったもの。これまでさまざまなサンプルを採取し、提供してくれた陳丁木さんへの感謝の気持ちを込めたという。
 
今回の『ズータクサ』最新号での発表により、何宣慶さんが発表した新種は108に達した。米カリフォルニア科学アカデミーが構築した世界の魚類データベース「Eschmeyer’s Catalog of Fishes」の統計によると、何宣慶さんの新種発見数ランキング(有効種ベース)は今年、すでに100位入りしていたが、『ズータクサ』最新号のものを含めると82位に上昇する。100位入りを果たした研究者のうち、何宣慶さんは史上最年少となっている。
 

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