2024/05/07

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「金点設計奨」の授賞式行われる、今年は最多の応募

2019/12/06
「金点設計奨(ゴールデン・ピン・デザイン・アワード)」の授賞式が5日夜、台湾北部・台北市内で行われた。今年は過去最多となる世界31カ国・地域から7,937点の応募があった。写真上は海洋ゴミ101個をまとめた「海廃図鑑」、左下は柏成設計有限公司の「JCA生活実験所」、右下は詹維莉さんさんが手掛けた和平島公園のブランドロゴデザイン。(台湾創意設計中心提供、中央社)
台湾で最も権威あるデザイン界の栄誉賞「金点設計奨(ゴールデン・ピン・デザイン・アワード)」の授賞式が5日夜、台湾北部・台北市内で行われた。すでに市販されている商品を対象とする「金点設計奨」と、当該年度にまだ生産あるいは市販されていないものが対象となる「金点概念設計奨」の2つがあり、今年はいずれも過去最多の応募があった。
 
今年の「金点設計奨」と「金点概念設計奨」には、世界31カ国・地域から7,937点の応募があった。そのうち「金点設計奨」には世界23カ国・地域から3,091点のエントリーがあり、「年度最佳設計奨(=最優秀デザイン賞)」が30点に贈られたほか、そのうち2点にはさらに「年度特別奨(=特別賞)」が贈られた。「金点概念設計奨」については、「年度最佳設計奨(=最優秀デザイン賞)」が3点に贈られた。
 
そのうち、「金点設計奨」の「年度最佳設計奨(=最優秀デザイン賞)」と「年度特別奨(=特別賞)」のダブル受賞となったのは、奇意果国際(HMM)と春池玻璃(Spring Pool Glass)の合同プロジェクトで生まれた「HMM 玻璃杯(W Glass)」と、台湾の環境保護団体「RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)」と簡訊設計公司(Simple info)が手掛けたデザイン作品「海廃図鑑(=海洋ゴミ図鑑)」。そのうち「HMM 玻璃杯」には「特別奨-循環設計」が、「海廃図鑑」には「特別奨-社会設計」が贈られた。
 
「海廃図鑑」は「RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)」が企画したもので、台湾各地で集めた代表的な海洋ゴミ101個をまとめた図鑑。「100%純汚水製冰所」のデザインを手掛けた洪亦辰さんがデザインに協力し、簡訊設計公司(Simple info)がウェブサイトのデザインを担当した。
 
「RE-THINK」を立ち上げた黄之揚さんによると、「海廃図鑑」は台湾各地でビーチクリーニングをした際に拾った海洋ゴミをまとめたもの。黄之揚さんによると、これらの海洋ゴミの背後にはさまざまなメッセージが含まれている。ビーチクリーニングを行う際は、これらのゴミの背後に横たわる問題を知る必要がある。拾ったゴミを捨てれば終わりというようなものではなく、これらのゴミが一体何で、どこから来たのか、そしてどこへ行こうとしていたのかを理解する必要がある。こうした問題を理解することで初めて、問題を解決することができるからだと黄之揚さんは訴える。
 
このほか、「年度最佳設計奨(=最優秀デザイン賞)」を贈られた30点のうち、柏成設計有限公司(JC Architecture)の「JCA生活実験所」は日本占領時代から残る古民家をリノベーションしたもの。古いものを残しつつ、新しいコンセプトを取り入れた新しい生活スタイルを提案している。
 
また、台湾北部・基隆市の和平島公園のブランドロゴデザインも「年度最佳設計奨」を獲得した。担当したのはデザイナーの詹維莉さん。和平島公園は2018年に再度、一般開放された。これをきっかけにブランドロゴが新たにデザインされた。和平島公園で見られる奇岩の、昼夜を問わぬ美しさを表現したもの。「和」、「平」、「島」の3文字を主体にし、シンプルで分かりやすく、美しいビジュアルで、ブランド識別という目的をうまく達成している。この作品は地元住民にも愛され、地方都市の美学として注目されている。

 なお、「金点概念設計奨」の「年度最佳設計奨(=最優秀デザイン賞)」は台湾の「器物的声音百貨」と「兵体」、中国大陸のアニメ作品「Deadline」の3点に贈られた。
 

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