2024/04/29

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小琉球のプラごみ減量の取り組み、世界持続可能観光協議会 (GSTC)で紹介

2019/12/09
今月4日から7日までポルトガルのアゾレス諸島で開催された世界持続可能観光協議会(GSTC)の年次総会で、台湾の団体が離島・小琉球でのプラスチックごみ減量の取り組みを紹介した。写真は海湧工作室と大鵬湾国家風景区管理処が2017年から合同で発行する「ビーチマネー」を手に持つ人々。(台湾咾咕嶼協会提供、中央社)
今月4日から7日までポルトガルのアゾレス諸島で開催された世界持続可能観光協議会(GSTC)の年次総会に、台湾から台湾咾咕嶼協会、海湧工作室、青瓢団隊、台湾永続旅行協会が招かれ、台湾南部・屏東県に属する離島・小琉球でのプラスチックごみ減量の取り組みを紹介した。
 
台湾から参加した一行は、小琉球でのプラスチックゴミ減量の取り組みについて報告した。例えば飲料カップのシェアリングは、どのようにカップを回収・洗浄しているかなど詳細を紹介。また、海岸の清掃活動で拾ったガラスの破片に絵を描いた「ビーチマネー」の取り組みは、住民を海岸の清掃に引き込むことができるほか、取り組みに参加する地元の業者も増えるとして高く評価された。現在では、地元の業者の中にも「ビーチマネー」を収集するところが出ており、この「ビーチマネー」で一泊の宿泊料を無料にするという宿泊施設まで生まれているという。
 
海湧工作室の共同創業者の一人である郭芙さんは、海の生態系を熱愛する仲間と社会的企業を立ち上げた。その運営方式によって生態系保護の理念を実行に移すというもので、2017年、地元在住の芸術家である林佩瑜さんと協力し、日本で行われている「ビーチマネー」を小琉球に導入することを決めた。角が尖っていないガラスの破片を拾い、それにウミガメなどの絵を描き、大鵬湾国家風景区管理処と共同で「ビーチマネー」として発行した。
 
観光客や地元住民は3~5人で1つのグループになり、小琉球の海岸で清掃活動に参加する。拾ったゴミの量を比べて順位を付け、それに応じて「ビーチマネー」を受け取ることができる。「ビーチマネー」は民宿やレストランなど、活動に参加する店舗で使用することができる。例えば民宿では500台湾元(約1,780日本円)分安くなったり、食事代が割り引かれる。
 
この活動を通して、2017年から2019年まで1万2257.38キログラムのゴミを清掃した。また、教師が生徒を連れて参加したり、旅行で訪れた父親や母親が子どもと一緒に参加し、環境保護の考えを生活の一部に取り入れたりしている。
 
海湧工作室は同時に、地元の住民を育成し、海岸清掃やプラスチックごみ減量など環境保護活動の「講師」としている。また、行政院環境保護署(日本の環境省に相当)の助成を受けて、プログラムに参加している店舗であればどこでも貸し借りができる、飲料カップのシェアリングサービスもスタートさせた。現在、小琉球にある約30店舗のうち70%以上の店舗が参加している。洗浄機1台のほか、1日4~5人、使用量が多いときは6~7人のスタッフを動員し、飲料カップの洗浄作業を行っている。今年2~8月までの約7か月間で使用量は延べ2万140回、使用したカップは2,800個に達した。
 
今年の界持続可能観光協議会(GSTC)には42カ国・地域から250名の参加があった。アジア以外での開催としては、アジアからの出席者が過去最多の年次総会となった。今年アジアからは台湾、韓国、中国、ベトナム、マレーシア、インド、日本から参加があった。
 
 

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