2024/05/06

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世界中国語圏教育イノベーション大賞、台湾の4プランが受賞

2019/12/12
中国語圏における革新的で優れた教育方法を選び出す「世界中国語圏教育イノベーション大賞」で台湾の4つのプランが受賞。各国での新たな教育方法との交流も促進されることに。写真は「教師と生徒による共同出版プロジェクト」の紹介。生徒たちに撮らせた写真を本にまとめて出版した。子どもたちの学習意欲を高められるという。大きく書かれたメッセージは、「この出版モデルをぜひ真似てほしい」。(中央社)
台湾の財団法人温世仁文教基金会がこのほど、フィンランドの教育イノベーション団体、HundrEDと合同で、「NXTEducator-全球華文教育創新大賞」(世界中国語圏教育イノベーション大賞)を実施、イノベイティブな教育方法として世界から寄せられた様々な提案の中から優れたプランを選び出した。「世界中国語圏教育イノベーション大賞」は中国語圏から生まれた教育方法を対象とした初のコンテスト。11日には関連のフォーラムも行われ、中国語圏での新たな教育プランを共有するなど、中国語での教育に従事する人たちにとって国際的なプラットフォームが誕生したことになる。
 
温世仁文教基金会の林雅莉執行長によると、産業は農業、工業、知識経済、サービス経済化などの段階を経て、これからは新しくより精緻なサービス業の時代が到来する。同基金会ではそうした未来の社会で必要とされる人材を育てるため、人材育成の青写真を打ち出した。その青写真では3つの特質と3つの能力からなる「FIT+HUG指標」を以って、小中高(小学校・中学校・高校)、大学、専科学校の学生から社会人までの各段階における完全な育成計画を提案していく。
 
「FIT+HUG」指標とは、「Friendly by nature」(本質的な優しさ)、「Innovative with diversity」(多様性を意識したイノベーション)、「Technology-aware」(テクノロジーの応用)という3つの特質と、「Human-centric approach」(人を中心としたアプローチ)、「Uniting multiple domains」(分野を超えた統合)、「Global view with local act」(世界的視野に立った現地での活動)という3つの能力を測る指標。
 
温世仁文教基金会では教育面でのイノベーションに対して大いに関心を寄せている。林雅莉執行長は過去にこうした分野の年次イベントに参加し、各国の関係者と交流する中で、革新的な教育プランの多くは英語圏でのものが主で、台湾にも優秀なアイデアが数多くあるにもかかわらず、世界の目に触れる機会が無いことに気付いた。このため温世仁文教基金会では、台湾で生まれた優れたプランを世界にも紹介しようとフィンランドの著名な教育イノベーション団体、HundrEDと協力して「NXTEducator-世界中国語圏教育イノベーション大賞」を実施、世界から中国語圏での教育イノベーションプランを広く募集した。
 
林雅莉執行長は小中校での基礎教育は人格形成に最も重要な段階だとした上で、「世界中国語圏教育イノベーション大賞」で優秀なプランを選出するのは、従来型の教育の枠組みから飛び出して学生たちに観察や表現を学ばせると共に、革新的なサービスの考え方を育み、将来における自身の価値を高めてほしいからだと説明。同大賞の実施にはまた、世界の目を台湾に向けさせ、台湾が国際社会とリンクすることで、世界的スケールで将来を展望できる人材を育成したいという願いも込められている。
 
今回の「世界中国語圏教育イノベーション大賞」では、各国の教育に関する専門家26名からなる審査員団が100件近くのプランから7件を優秀な提案として選出。内訳は台湾からのプランが4件、香港、中国大陸の上海、シンガポールからのものが各1件だった。
 
HundrEDのLasse Leponiemi執行長によれば、応募した各チームは全てHundrEDのコミュニティプラットフォームを通じて全世界のチームと交流することが出来、HundrEDも引き続き専門的なサポートを行っていく。同氏は、今回優秀なプランを作成したチームがほかのチームを助けることで、教育の精神が発揮されていくことに期待した。
 
林雅莉執行長は、「世界中国語教育イノベーション大賞」フォーラムは教育のイノベーションに携わる東洋と西洋の人たちに交流の機会を提供し、共同学習のコミュニティを作り上げたと説明。また、中国語圏での教育関係者が世界に踏み出すことで、そこで生まれたより多くのイノベイティブな教育方法が世界に紹介され、互いに学べるようになる。林執行長はさらに、同フォーラムの開催によって台湾が世界とつながり、国際社会の台湾に対する認知度が高まることで台湾の優秀な人材が1人でも多く世界に認められること、同時に世界のリソースを台湾に引き付けられることに期待したいと述べている。
 
「世界中国語圏教育イノベーション大賞」の受賞プランのうち、台湾のプランは以下のとおり。「城市浪人」(City Wanderer)の「Wandering Challenge」は世界初の体験教育サービスで、「放浪」の競技を通じて若者を使命感と行動力のある人間に育て、社会に有意義な変化をもたらすというもの。呉麦文教基金会の「師生共同出版計画」(教師と生徒による共同出版プロジェクト)では、子どもたちが「公式」に則って撮った写真を収集・活用することでへき地での児童教育を一新、子どもたちの学習意欲を刺激する。「為台湾而教」(Teach For Taiwan)は平等な教育の実現に努めるもの。長期的な教育改革の推進により、2年間の奨学金計画で全国の教師を対象とした実習の道筋を正式に整える。玩美客(Fun Meiker)による「玩美客666協同創新教育」では子どもたちに、美学、個人の能力、様々な個性を好意的に見る力を身に付けさせるという。
 
 

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