2024/04/30

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携帯電話の緊急地震速報技術、行政院の科学技術貢献賞に輝く

2019/12/13
「2019年行政院傑出科学技術貢献賞」は、台湾における地震発生時の緊急速報技術を確立した台湾大学の呉逸民教授(右)と、デジタル学習システムのパイオニア、中央大学の陳徳懐講座教授(左)が受賞。行政院の陳其邁副院長(右から2人目)と科技部の陳良基部長(左から2人目)が功績を称えた。(中央社)
行政院(内閣)は12日午後、「2019年行政院傑出科学技術貢献賞」の受賞式を行った。今回、この栄誉に輝いたのは台湾における地震発生時の緊急速報技術を確立した国立台湾大学地質学科の呉逸民教授と、デジタル学習システムの先駆けである国立中央大学網路学習科技研究所の陳徳懐講座教授(特任教授に類似)だった。行政院の陳其邁副院長(副総理)と科技部(日本の文部科学省に類似)の陳良基部長(大臣)が授賞式に出席、功績を称えた。
 
呉教授が開発した緊急地震速報システムは「廉価版P波警報器システム」という画期的な技術。10年余の期間をかけて開発が進められ、災害につながる可能性のある地震を知らせる緊急速報システムの台湾での整備につながった。震源の位置と地震の規模が正確に把握できるだけでなく、地震波が震央から各地に伝わる直前の10〜30秒間に警報を発する。電気信号を検知してからメッセージを発信するまでは完全に自動化され、人身や財産への被害をできるだけ抑えることが期待される。
 
このシステムが開発されたことにより、地震計測器を全て輸入に頼っていた台湾が輸出国にシフト。中国やインドネシア、インド、ベトナム、韓国、ニュージーランド、ギリシャ、メキシコ、ソロモン諸島、フィリピンなどにこの技術を広げている。
 
陳徳懐教授は台湾のデジタル学習のパイオニアとして研究に取り組んできた。これまで、2000年代初期には世界最大のネットワーク学習コミュニティで、初のネットワーク学習のためのバーチャル都市「EduCities」を構築、また「明日学校(School of Tomorrow)」や「明日星球(Planets of Tomorrow)」なども確立し、内外のネットワーク学習システムブームの火付け役となった。今ではこのシステムはへき地の学校を多数含む811校に広がり、これまで60万人以上が恩恵を受けている。
 
「行政院傑出科技貢献賞」は、1976年に始まった「行政院傑出科技栄誉賞」が2006年に今の名称となったもので、今年で43回目。3月に他薦自薦36件の応募があり、関係省庁や学術研究機関の長、研究者など専門家を含む計32人による「審議委員会」で審査が行われた。
 
 

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