2024/04/28

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ベルリン国際映画祭、台湾のツァイ・ミンリャン監督が3度目のノミネート  

2020/01/30
マレーシア出身で台湾を拠点に活躍する映画監督、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督がこのほど、第70回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に3度目のノミネートを果たした。写真は主演の李康生さんが登場する映画のワンシーン。(汯呄霖電影提供、中央社)
マレーシア出身で台湾を拠点に活躍する映画監督、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督がこのほど、第70回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に3度目のノミネートを果たした。
 
ノミネートされたのは最新作の長編劇映画『日子(Days、直訳・日々)』。映画祭ディレクターのカルロ・チャトリアン(Carlo Chatrian)氏はノミネート発表記者会見で、蔡監督は1993年に初監督作品の『青春神話』でベルリン国際映画祭のパノラマ部門にノミネート、その翌年に『愛情萬歳』でベネツィア国際映画祭の最高賞、金獅子賞に輝き、1997年には『河』でベルリン国際映画祭の審査員賞である銀熊賞を受賞し、続いて2005年の『西瓜』では同映画祭の銀熊賞の一つ、芸術貢献賞に輝いていいると説明。さらに、仮想現実(VR)などさまざまな形式や実験を試みたのち、蔡監督はあらためてそのタイトル通り極めてシンプルな作品『日子』を発表、「これは『痛み』と『癒し』をめぐる作品だと言える」と解説した。
 
蔡監督は「一生のうちに劇映画を10作も撮れればいいとずっと考えてきた。11作目となる『日子』は、天からの贈り物だ」と語る。この作品が生まれたのは蔡監督作品に欠かすことのできない俳優、李康生(リー・カンション)さんが命にかかわる大病に倒れたことがきっかけで、「ほかに撮れるものがないなら、李康生の病を撮ろうと思った。治癒してからではこの演技はできない」と述べた。
 
『日子』の撮影には構想も計画も脚本もなく、断続的に4年間にわたり撮影が続いた。蔡監督によると、当時は撮ってからどうするという考えもなかったという。また、タイのバンコクで出会ったラオスの友人、Anong Houngheuangsyさんとビデオチャットをしているとき、彼が質素な家でふるさとの料理を作るのを見て、思わず飛んで行って撮影を始めたそうだ。「自分が今撮るのは暮らしで、小康(リー・カンション)の暮らしであり、Anongの暮らしであり、そして私の暮らしでもある」と蔡監督は言う。
 
『日子』は台湾の公共テレビ局、公共電視にとって、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に初めてノミネートされた合作映画でもある。
 
2020年のベルリン国際映画祭は2月20日から3月1日まで開催される。蔡監督と主演の李康生さん、Anongさんは2月23日にも現地入りし、27日のワールドプレミア上映に出席する。

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