2024/05/02

Taiwan Today

政治

1/31より台湾で生産されたマスク全て政府が買い上げへ

2020/01/31
台湾各地でマスクが品薄状態になっている。政府は31日より、台湾で生産されたマスクをすべて買い取り、1日400万枚ずつ市場に放出する。小売価格は1枚6台湾元、1人当たりの購入数は3枚までとする。写真は30日、「口罩售完(=マスク売り切れ)」の張り紙を出した台北市内のコンビニ。(中央社)
新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、台湾ではマスクの需要が急増している。衛生福利部疾病管制署(=台湾CDC)は28日より3日間、政府が備蓄していたマスクを1日600万枚ずつ市場に放出した上で、その小売価格を1枚8台湾元(約29日本円)、1人当たりの購入数を3枚に制限するとしていた。しかし、マスクの品薄状態が依然続いていることから、厳重特殊伝染性肺炎(=新型肺炎)中央流行疫情指揮中心(Central Epidemic Command Center)は30日夜、31日以降、台湾で生産されるマスク400万枚を政府が買い取り、一般市民向けに1日約260万枚、医療機関や検疫機関、備蓄用として1日約140万枚を放出することを決めた。1人当たりの購入数は1~3枚に制限し、小売価格は1枚6台湾元(約21日本円)に引き下げる。この措置は2月15日まで実施する。
 
経済部(日本の経済産業省に相当)の関係者によると、マスクは通常、コンビニでもあまり売れない商品だが、現在は1日当たり120万枚余りが売れている。政府が備蓄用マスクを市場に放出しても、直ちに完売する事態となっている。このため政府は、マスクの購入制限を2月15日まで延期することを決めた。その後はマスクの生産能力や感染拡大等の状況を見て、政策を見直すとしている。
 
政府がマスクの購入制限の延期を決めたのには、マスクの需給バランスの崩壊と、価格の高騰を避ける狙いがある。需要の急増により、台湾におけるマスクの1日当たりの販売量は従来の42倍に跳ね上がっている。しかも、台湾では旧正月期間中の物流コストや人件費が通常より高くなる。例えば物流業者が旧正月期間中、トラックドライバーを出勤させようとすると、法律により通常の3~4倍の休日出勤手当を支払わなければならない。このため経済部は、関係業者と協議し、マスクの小売価格を統一することを決めた。
 
経済部は30日、流通や物流業者、それにマスクのメーカーなどと協議した結果、2月1日よりマスクの小売価格を6台湾元に引き下げることを決めた。市場の需給バランスが正常に戻り次第、市場のメカニズムに応じて適正価格に戻す。
 
経済部によると、台湾で生産されたマスクはすべて政府が買い上げ、2月1日以降、中央流行疫情指揮中心がその分配を指揮する。現在は医療機関や検疫機関、コンビニ、病院内(あるいはその周辺)のドラッグストア、薬局、医療器材の流通業者などにマスクを提供している。経済部は、新型コロナウイルスの予防期間中は、中央流行疫情指揮中心が定める価格でマスクを購入するよう各界に理解を求めている。
 
2月1日以降に政府が市場に放出するマスク400万枚のうち、民生需要に対応する部分は、コンビニ、ドラッグストア、薬局、医療器材の流通業者などに提供する。政府は、健康な人ならば必ずしもマスクを着用する必要はなく、慢性病や持病があって通院している人、病人に付き添ったり、見舞ったりする必要のある人が優先的に購入するよう呼びかけている。
 

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