2024/05/03

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政治

新型肺炎で初の死亡者、白タクで感染者と接触か

2020/02/17
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)の指揮官を兼任する衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の陳時中部長(=大臣。写真中央)は16日夜、台湾で新たに新型コロナウイルス感染者2人が確認され、そのうち1人が死亡したことを明らかにした。これにより、台湾で確認された感染者は20人となった。(中央社)
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)の指揮官を兼任する衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の陳時中部長(=大臣)は16日夜、台湾で新たに新型コロナウイルス感染者2人が確認され、そのうち1人が死亡したことを明らかにした。これにより、台湾で確認された感染者は20人となった。死亡したのは台湾中部に住む61歳の男性で、B型肝炎と糖尿病の持病があった。海外渡航歴はなく、感染者との濃厚接触者でもなかった。

亡くなった男性は1月27日からせきなどの症状が始まり、2月3日に呼吸困難で受診し、肺炎と診断されて入院。室内の空気が外に出ない陰圧室で治療を受けていたが、2月15日に肺炎を原因とする敗血症を併発して亡くなった。遺族の同意を得て、病理解剖を行って一部の組織を採取し、法定伝染病の規定に基づき遺体を火葬した。

この男性は海外渡航歴がなく、もともとウイルス検査の対象でもなかった。しかし、2月に入ってシンガポールで発生した新たな感染者の50%に海外渡航歴がなかったことから、渡航歴だけでウイルス検査の是非を判断するのは危険だと判断。2月7日に男性から検体を採取し、ウイルス検査を行っていた。

亡くなった男性は「白タク」と呼ばれる無許可営業のタクシーの運転手で、主に中国、香港、マカオへの渡航歴を持つ乗客を乗せていた。中央感染症指揮センターはすでに、亡くなった男性の濃厚接触者を全面調査している。

現段階で判明しているのは、この男性の濃厚接触者は79人。そのうち73人(うち7人がかぜなどの症状を訴えている)から検体を採取し、60人が陰性、1人が陽性(16日に発表された台湾で20人目の感染者)だった。残りは検査の結果待ちだ。

防疫の漏れを防ぐため、中央感染症指揮センターは2月12日以降、台湾全土の医療機関に通達を出し、重症のインフルエンザに似た症状が出ながら、インフルエンザの検査では陰性だったケースについて、1月31日までさかのぼって新型コロナウイルスの検査を行うよう指示した。2月15日までの時点で133人から検体を採取して検査した結果、唯一、今回亡くなった男性から陽性反応が出たという。
 

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