中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)は18日に開いた記者会見で、台湾で初めて新型肺炎による死者が出た台湾中部の家庭内感染について、感染した4人の濃厚接触者合計235人を把握したことを明らかにした。そのうち適切な防護をしていたためにウイルス検査をする必要がないと判断した32人を除き、200人のウイルス検査を実施した。結果、陽性は3人(2月16日と17日に発表済み)、陰性175人で、残る22人が結果待ちとなっている。
また、この家庭内感染者の一人で、亡くなった61歳男性の姪の配偶者に当たる30代男性の職場では、58人が自宅隔離を行っている。現在のところ、58人全員がウイルス検査で陰性となっており、中央感染症指揮センターでは「この感染が外部に広がる可能性はない」との見方を示している。
亡くなった61歳男性の感染源について中央感染症指揮センターでは、中国・浙江省から旧正月期間に帰国した台湾企業関係者であるとの見方を強めている。中央感染症指揮センターの指揮官を兼任する衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の陳時中部長(=大臣)は、すでにこの台湾企業関係者から血液を採取したことを明らかにしている。採取した血液は2つの研究機関に送られ、血中のウイルス抗体の有無、つまり新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかが調べられる。
陳部長は、「感染源が誰であれ、すでに新型コロナウイルスの潜伏期間は超えている(感染源とされる台湾企業関係者は1月22日の時点で感染していたとみられるため)。新型コロナウイルスの感染が疑われるケースが出現しても、医療システムによって発見されるはずなので安心して欲しい。感染源が浙江省から戻った台湾企業関係者かどうかは、社会全体の防疫という角度から見れば、すでに重要なことではなくなっている」と説明した。
陳部長はさらに、今回の家庭内感染は制御に向かっており、いくつかの個別のケースについてウイルス検査を実施している段階ではあるが、「市中は安全だ」との見方を示した。