2024/05/05

Taiwan Today

政治

新たに8人の感染を確認、北部の高校では2人目で高校初の休校に

2020/03/20
新型コロナウイルスの感染が広がる中、衛生福利部の陳時中部長は19日、新たに8人の感染が確認されたと発表した。7人は海外で、1人は台湾で感染した。19日時点の感染者は累計108人に。写真は休校となる前の高校での様子。(中央社)
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、衛生福利部(日本の厚労省に類似)の陳時中部長(大臣)は19日、新たに8人の感染が確認されたと発表した。そのうち7人は海外で感染、1人は台湾で感染したとされている。感染者は累計108人となった。
 
台湾で感染した1人はすでに感染が確認されていた台湾北部の高校生のクラスメートで、教室でも隣り合わせの席だった。同一学校内で2人の感染者が確認されたことから、中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)は教育部(日本の文科省に類似)と協議した上で、安全を最優先に考慮して同高校を20日から27日まで休校させると決定した。新型コロナウイルスの感染で全校が休校となる高校は初めて。
 
この高校ではギリシャを1カ月あまり旅行して帰国した学生1人の感染が確認されていた。この学生は3月5日に帰国。12日になってのどの痛みを訴え、13日には咳と鼻水、頭痛などの症状が出たため医療機関を受診し、15日に感染が確認された。このためこの学生が所属するクラスは16日から14日間の「学級閉鎖」となっていたが、中央感染症指揮センターは19日、この学生のクラスメートの感染も確認されたとして、全校休校の基準に達したことを明らかにした。なお防疫人員はすでに、ギリシャから帰国した学生の座席周囲のクラスメートに対する検査を強化している。
 
教育部(日本の文科省に類似)が定めている授業中止に関する基準によると、高校以下(高校、中学、小学校)の学校でクラスに1人、中央感染症指揮センターによって感染が確認された学生もしくは教職員がいた場合、そのクラスの授業が取り止められる。そして1つの学校で2人以上の感染者が確認された場合、学校全体が休校となる。
 
教育部の潘文忠部長(大臣)によると、同校の学生1,650人と教職員154人が休校の影響を受け、オンラインでの授業とオンラインでの自主学習が半々の割合で行われる。また、この学校のある自治体の教育局では経済的に恵まれない学生40人にモバイルデバイス、8人に無線インターネット接続設備を提供して全ての学生がオンライン授業に参加できるよう環境を整備する。また、同校の事務職員は、感染者と接触があり「居家隔離」(在宅隔離)が義務付けられている人以外は通常通り出勤する。教師はオンライン授業や防疫面での必要が無ければ学校に行く必要はない。
 
学習塾や予備校の関係者によれば、この高校では18日、学生たちに対して教室から私物を全て持ち帰るほか、学習塾などには行かず、公の場所で感染症を話題にしないよう求める通知を行っていた。この関係者は、学校が定期的に行う消毒作業のためと受け止めていたところ、新型コロナウイルスの感染者が原因で驚いたと話している。中央感染症指揮センターが19日に休校を発表したとき、同校では正常な授業が行われていた。その後、一部の保護者は子どもたちを学校まで迎えに来たが感染の状況についてコメントすることは無く、学生の多くはマスクを着用して下校した。同校では最初の感染者が確認された時点で、感染を恐れて登校を取り止める3年生が少なくなかったという。
 
一方、保護者は学習塾や予備校が防疫の抜け穴となることを恐れている。この学校のある自治体の教育局では、学習塾や予備校で感染者が確認された場合、自治体の「防疫工作守則」(防疫作業規則)に基づき、学生1人の感染が確認された場合はクラスの閉鎖、2人確認された場合は施設全体で授業を中止する対応をとると説明している。
 
 

ランキング

新着