2024/04/27

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政治

中華民国在バチカン大使館、食料不足のローマ教会にツナ缶援助  

2020/03/25
教皇慈善活動室にある彫像前で、中華民国在バチカン大使館の李世明大使(写真右)はコンラート・クラジェウスキー枢機卿(写真左)に600缶のツナ缶を手渡した。(中華民国在バチカン大使館提供、中央社)
ローマ教会で貧しい人々のために慈善活動を実施する機関、「教皇慈善活動室」は先ごろ、缶詰や非常食などを緊急に寄せ集めて、路上生活者に配布していた。しかしイタリアで新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しており、ローマにおいては市民の買い占めによって缶詰などの食料品不足が起きている。このニュースを聞いた中華民国在バチカン大使館は、自ら「ツナ缶探し」任務を引き受け、奮闘することとなったが、思いもよらぬことに向かった複数の商店では既に売り切れの状態だった。最終的に、ローマから車で1時間ほどの場所にある卸売スーパーでようやく600缶のツナ缶を見つけることができ、現地時間23日に教皇慈善活動室へ無事届けることができた。

中華民国在バチカン大使館から贈られた山積みになったツナ缶を見た教皇慈善活動室の施物担当のコンラート・クラジェウスキー(Konrad Krajewski)枢機卿は、「どこでこんなにたくさんのツナ缶を見つけたの?」と驚嘆の声を上げたという。

コンラート・クラジェウスキー枢機卿は、「中華民国在バチカン大使館から贈られたツナ缶は、路上生活者にとって、天からの恵みの雨と同じ」と強調した。枢機卿によると、元々は、多くのレストランや食料品の販売店が閉店後に残飯や売り物にならなかった食材を教皇慈善活動室に寄付して、それらを路上生活者に配布していた。しかし、新型コロナウイルス感染が急速に拡大するイタリアでは、政府がイタリア全土の店舗閉鎖(食料品店、薬局除く)を発表し、飲食店も閉店していることから、多くの路上生活者が困窮の度合いを深めているのが現状だ。

李世明駐バチカン大使は、「新型コロナウイルスで混乱が生じている非常事態の中でも、バチカン市国が弱者を思いやる精神には感銘を受けた。ツナ缶は高価な物ではないが、台湾からの思いやりの気持ちを表している。台湾は、バチカンの人権を尊重するという理念に深く共感し 、今後も実践的な行動をもって支援していく」と語った。

ツナ缶の贈呈式は23日、教皇慈善活動室の前にある路上生活者をかたどった彫像の前で行われた。マスクを着用して式典に出席したコンラート・クラジェウスキー枢機卿や李世明大使は、イタリア政府の規定を遵守し、社会的距離を保ち、握手は交わさなかった。なお、式典が行われた場所に設置されている彫像は、象徴的な意味を持っている。一見すると、野宿する一人の路上生活者のようだが、彫像にはキリストが磔刑に処された時の5ヶ所の傷が彫られている。これは、神の愛が届かない場所はないということを表しており、人道支援は貧富貴賤に関わらず行うべきという信念に基づいている。

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