2024/05/09

Taiwan Today

政治

新型コロナで食糧不安、台東県の小規模農家が海外バイヤーとコメの提供で協力覚書

2020/03/26
新型コロナウイルスによる食糧不安で、各国で食品の買い占めが起きる中、台湾の米どころとして知られる台東県池上郷の小規模農家が海外のバイヤーと協力覚書を交わしている。写真は魏瑞廷さん。丹精込めて育てた信頼性の高いコメで世界の食糧不安の解消に少しでも役立ちたいと願っている。(中央社)
新型コロナウイルスの世界的な拡大が食糧不足を引き起こすという不安から、各国で食品を買い占める動きが広がる中、台湾の米どころとして知られる台東県(台湾南東部)池上郷の農家が海外のバイヤーと協力覚書を交わした。
 
池上郷の青年農家、魏瑞廷さんはこのところ海外との取引が相次いでいる。中国大陸で事業を行う台湾出身の実業家からは先ごろ、3年間毎年10トンの米を山西省に送る契約を求められた。また香港の業者とは5年間、毎年10トンを提供する協力覚書(MOU)を結んだ。また先月には米カリフォルニア州オレンジ郡で中華系の人々(華人)が暮らすコミュニティから2キロ入りの米500袋(合計1トン)を受注。25日には南カリフォルニアに向けて輸出した。船便で送るため20日あまりかかるという。また、バチカンから1トン、香港から5トン、さらにイタリア・ローマの華人コミュニティからも1トンを受注した。ただイタリアでは現在、国境が封鎖されていることから魏さんの米はまだ送り届けられていないとのこと。魏さんはしかし、現地での食糧問題の解消に少しでも協力したいと話している。
 
魏さんは2018年から米の生産にブロックチェーントレーサビリティを導入。信頼性の向上が香港からの受注に結びついたほか、小規模農家のブランド「池上禾穀坊-米之谷」としてイスラム社会と米国の通販大手アマゾンにも進出、さらにはバチカンに寄贈してローマ教皇による試食も実現するなど、海外市場への展開も続いている。
 
魏さんによれば、自身が生産する米が外国のバイヤーに評価されている背景にはブロックチェーントレーサビリティシステムがある。トレーサビリティの中でもブロックチェーントレーサビリティではデータの改ざんが不可能で、事実がそのまま伝えられる特性が、短期間で消費者の信頼を勝ち取るのに役立ったのだという。
 
 

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