2024/05/19

Taiwan Today

政治

仏教団体の慈済がバチカンにマスク寄付、宗教の違い超えて防疫に団結

2020/03/30
台湾の仏教団体・慈済基金会がマスク4,000枚をバチカンに寄付。バチカンの新型コロナウイルス対策に協力すると共に、宗教の違いを超えて団結する姿勢を示している。写真は2017年、慈済基金会の関係者(右)がローマ教皇(左)に謁見している様子。(中華民国駐バチカン大使館サイトより)
台湾の仏教団体・慈済基金会がマスクをバチカンに寄付している。今月25日、ローマ教皇フランシスコの住まいで新型コロナウイルスの感染者1人が確認された。感染したのはバチカン国務省の職員だという。バチカンでも感染が広がる中、慈済基金会は早くから海外ルートを通じてマスク4,000枚をバチカンに寄付、バチカンのウイルス対策に協力すると共に、宗教の違いを超えて団結する姿勢を示した。慈済基金会は国際的なボランティア活動で有名。
 
バチカン諸宗教対話評議会のインドゥニル・ジャナカラトネ・コディトゥワック・カンカナマラゲ(Indunil J. Kodithuwakku K.)次官はこれについて、この特殊な時期における慈済基金会の支援と友情には特別な意義があると指摘、異なる宗教にはそれぞれの信仰と理念があるが、いずれも人道的な思いやりと言う価値を共有し、人類の危機に対しては協力して立ち向かえることを示していると強調した。
 
慈済基金会は今月16日にアフリカからマスク4,000枚をバチカンに発送。バチカンにただ1人滞在する中華民国(台湾)籍の神父である邱琮傑氏を通して緊急にマスクを必要としている修道会と聖職者に配布した。慈済基金会は今後、さらにバチカン諸宗教対話評議会と連携し、より多くのマスクや消毒液、防護服などの防疫物資を贈りたいと考えている。
 
ローマ市内にあるバチカンに住む人々(バチカンの人口)は1,000人に満たないが、すでに5人の感染者が確認されている。最新の感染者は25日午後にローマ教皇の住まいであるカサ・サンタマルタ(Casa Santa Marta)で見つかった。ローマ教皇及び枢機卿など位の高い聖職者の多くは高齢であるため、多くの信徒がバチカンでの感染状況に関心を寄せている。
 
イタリア全土ではすでにカトリックの聖職者が100人以上感染、60人を超える神父が亡くなっている。感染が深刻化する中、神父の多くが病院で患者のために祈りを捧げている一方、教会は棺桶の置き場と化している。しかし神父たちが自分たちのためのマスクを確保するのは難しい状況だという。
 
 

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