2024/04/29

Taiwan Today

政治

中華民国、自国民向けチャーター便で日本人などのペルー出国に協力

2020/03/30
中華民国(台湾)が人道支援の精神を発揮、ペルーに残っていた国民のためのチャーター便に日米など4カ国の人たち84人も乗せて出国を助け、米マイアミに合計139人を輸送した。写真は機内の様子。(外交部)
台湾による協力の下、ペルーに滞在する各国の人たちの出国が実現した。新型コロナウイルスの影響で各国が都市の封鎖や入国制限を行う中、国際間での人の移動が困難になっている。中華民国外交部(日本の外務省に相当)によれば、中華民国の駐ペルー代表処(正式には駐ペルー台北経済文化弁事処)が協力し、新型コロナウイルスの影響でペルーに残っていた中華民国(台湾)の国民55人をチャーター便で米国のマイアミに輸送した。チャーター便はラタム航空(LATAM)のビジネスチャーター機。料金は乗客が自ら負担する形で、台湾時間の29日午前10時ごろにマイアミに到着した。
 
このチャーター便は台湾の人をクスコで38人、さらにペルーの首都リマで17人乗せてマイアミに向かったが、それ以外にも同様にペルーに滞在していた日本、マレーシア、シンガポール、米国の人合わせて84人をマイアミまで運んでおり、合計では139人の出国を助けたことになる。外交部は、新型コロナウイルスが世界的に広がる中、「Taiwan can help」(台湾がお手伝いします)は起こりうることであるほか、WHO(世界保健機関)がかつて言った「彼らは誰も置き去りにしないと約束した」ことを証明した事例だと説明した。「Taiwan can help」は台湾がWHOへの参与を求めていく上でのスローガン。
 
このチャーター便を利用した外国人の内訳は日本人29人、マレーシア人7人、シンガポール人14人、米国人34人。これを受けて日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会台北事務所の泉裕康代表、及びシンガポールのVivian Balakrishnan外相は各自SNSに投稿、台湾への謝意を表明した。
 
新型コロナウイルスが広がる中で駐ペルー代表処が手配するチャーター便は今回が2機目。今回は出国を希望する台湾の人たちの多くがペルーの首都圏以外にいた。このため早期の出国とコストの低減を実現しようと駐ペルー代表処が主導して日本、マレーシア、シンガポールの在外公館と協力、ペルーの関係当局と交渉して2機目のチャーター便運航にこぎつけた。
 
外交部の関係者によると、チャーター便を飛ばすにあたっては各方面から問い合わせを受け、台湾はこれに協力を惜しまない態度で対応。あくまで「台湾の人優先」が前提ながら、台湾は「Taiwan can help」の精神でチャーター便の座席を開放し、友好的な国々のため人々の出国を助けた。なお、ペルーからのチャーター便で現地に取り残された人々を輸送したのは米国、メキシコに続いて中華民国(台湾)が3カ国目だったという。
 
今回のチャーター便では、都市の封鎖で車両での移動が出来なかったため、まず各地に分散する台湾の人たちを出来る限り2カ所に集めることが求められた。このため駐ペルー代表処はペルーの各自治体、ラタム航空、旅行会社と調整し、38人をクスコで乗せてリマで17人を乗せるという特別な手配を行った。また現地の国際空港もすでに閉鎖されていたことから、リマでは軍用空港を利用したということ。
 
 

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