台湾が欧州連合（EU）及びその加盟国に対して外科用マスク560万枚を寄付することに対し、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン（Ursula von der Leyen）委員長は4月1日、EUを代表して台湾への謝意をツイート。中華民国外交部（日本の外務省に相当）は2日、これを歓迎すると共に評価するプレスリリースを発表した。外交部は、我が国の政府は引き続きEUと協力して新型コロナウイルスに対抗し、人々の健康を守り、同ウイルスの感染を1日も早く終息させるとしている。
このプレスリリースの中で外交部は、新型コロナウイルスはすでに世界全体の深刻な感染症となっており、世界が一致団結して立ち向かうことが必要だとした上で、台湾とEUは同じ理念と価値を共有するパートナーであるほか、EUは我が国のWHO参与をずっと支持してきたと指摘。そのEUでの感染が深刻化している今、我が国の政府と人々はただちに援助の手を差し伸べ、具体的な行動でEUを支えて団結を示すと説明した。外交部は、それは「Taiwan Can Help, and Taiwan is Helping（台湾には助ける力があり、今まさに助けている）」を証明すると同時に「Stronger Together（団結すればより強大に）」の理念を示すものでもあるとし、台湾がEUなどと手を携えて感染症対策に取り組むことで、新型コロナウイルスの拡散をより効果的に阻止することが出来ると述べた。
外交部によると、世界が新型コロナウイルス対策を進める中、台湾は感染予防物資の寄付以外にEU及びEU加盟国との間で、ウイルスの簡易検査キット、ワクチン及び医薬品などの研究開発、並びに防疫に関する経験の共有と交流を行っている。外交部は、今後はEUと感染予防物資のサプライチェーンの面で素早く協力、それぞれのニーズを満たし、具体的な行動を以って双方の人々が恩恵を受けられるようにしたいと希望した。また、台湾は、誰かを助けることは自分を助けることにつながり、各国が団結すれば新型コロナウイルスを少しでも早く終息させられることを確信していると述べた。
新型コロナウイルスが各国で猛威を振るう中、中華民国（台湾）による国際協力の動きも広がっている。中華民国とチェコは1日、それぞれの駐在機関（在外公館）を通して共同声明を発表、新型コロナウイルスに対抗する上で協力していくことを明らかにした。共同声明は、中華民国の柯良叡駐チェコ代表とチェコのPatrick Rumlar駐台代表が共同で発表した。要点は以下のとおり。
新型コロナウイルスに共同で対抗していくため、台湾とチェコの各代表処はコンサルティングと協力のメカニズムを強化し、そのパートナーシップの枠組みの下で最良の方法を調整すると共にこれを共有、さらには多面的な協力関係を通して関連の感染対策を進める。協力項目は以下のとおり。
●簡易検査キットの研究開発
●ワクチンの研究と生産
●医薬品の研究と生産
●医療器材の研究及び技術移転
●感染経路のトレース（追跡）に関する技術のメカニズムとテクノロジー
●最良の方法と科学技術面での交流
●情報を共有するための窓口となるスタッフの指定
●感染予防用品と設備に関する協力と交流