2024/05/04

Taiwan Today

政治

台湾の人道支援のマスク、欧州に順次到着

2020/04/10
中華民国外交部(日本の外務省に相当)は今月1日、米国、欧州連合(EU)及び感染が深刻な欧州諸国、並びに中華民国と正式な外交関係を持つ国々(国交樹立国)に対し、国際的人道支援の第一弾として合計1,000万枚のマスクを寄付することを発表した。そのうち欧州向けの人道支援マスク3便が7日以降、順次到着している。写真は9日早朝、ドイツのフランクフルト空港に台湾のマスクが到着したことを伝える地元テレビ。(ドイツMichael Gahler氏フェイスブックページより)
中華民国外交部(日本の外務省に相当)は今月1日、米国、欧州連合(EU)及び感染が深刻な欧州諸国、並びに中華民国と正式な外交関係を持つ国々(国交樹立国)に対し、国際的人道支援の第一弾として合計1,000万枚のマスクを寄付することを発表した。内訳は米国200万枚、欧州諸国(EU、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、チェコ、ポーランド、イギリス、スイス)700万枚、中華民国の国交樹立国100万枚。そのうち欧州向けの人道支援のマスクは3便に分けて輸送され、7日以降、順次到着している。
 
そのうち、EU本部があるベルギーのブリュッセルに物資が届いたことを受け、欧州委員会のヤネス・レナルチッチ(Janez Lenarcic)危機管理担当委員は9日夜、EU公式サイトでニュースリリースを発表した。ヤネス・レナルチッチ危機管理担当委員は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が加速する中、台湾がEU及びその一部の加盟国に寄付したマスクがきょう、ヨーロッパに到着した。EU緊急対応調整センター(ERCC)はそのうち合計100万枚をスペインとイタリアに輸送する。残りはEUと台湾が話し合い、その他の加盟国に配送する」、「この苦難の中、国際協力は極めて重要なことだ。EUは台湾が、EUへのマスクの寄付という行為によって、団結の姿勢を見せたことを高く評価する」と表明した。
 
また、ドイツのフランクフルト空港には9日早朝、台湾からの人道支援のマスクを乗せた別の中華航空(チャイナエアライン)の貨物機が到着した。空港にはドイツの国会議員や州議会議員、欧州議会議員らが多数駆け付け、台湾への謝意を示した。到着したマスクはその後、物流会社であるキューネ・アンド・ナーゲル社の倉庫に運ばれた。
 
空港にはフランクフルト出身であり、欧州議会の親台湾派議員グループで代表を務めるMichael Gahler氏、ドイツ議会における親台湾派議員グループの代表を務めるKlaus-Peter Willsch氏、ドイツ連邦議会の健康委員会委員長のErwin Rüddel氏、フランクフルトがあるヘッセン州議会議員のIsmail Tipi氏など、親台湾派の議員が数多く集まった。
 
ドイツ議会のKlaus-Peter Willsch氏は祝辞で、台湾が快くマスクを寄付してくれたことに感謝するとした上で、世界保健機関(WHO)はこれ以上、台湾を排除すべきではないと訴えた。
 
フランクフルト空港に到着したマスクのうち、100万枚はドイツに寄付され、ドイツの衛生当局によって各地に配布される。残りはポーランドとチェコに送られる。
 
なお、オランダには今月7日、すでに60万枚のマスクが届けられている。オランダ政府が台湾に置く出先機関(在外公館)であるオランダ貿易暨投資弁事処(Netherlands Trade & Investment Office)はフェイスブックに、「台湾が欧州諸国への寄付を表明したマスクのうち、第1便は中華航空によってオランダに届けられました。これは60万枚の愛です」と書き込み、台湾への感謝を伝えた。
 
オランダに届けられたマスクは、台北駐オランダ代表処(=オランダにおける中華民国大使館に相当)の陳欣新代表(=大使に相当)によって、オランダ政府が指定する物流会社、Best Global Logistics社アムステルダム本部のRonald Middleburg氏に手渡された。
 
オランダ貿易暨投資弁事処はフェイスブックに、「この台湾製サージカルマスク60万枚は、第一線に立って新型コロナウイルス感染症と戦う医療関係者にとって最も心温まる防具となるでしょう」、「パンデミックの脅威が広がる中、この真の友情は、物資の共有、経験の交換から技術協力にまで広がっています。今後、台湾とオランダの交流はさらに深まることと信じています」と書き込んだ。投稿にはマスクの入った段ボール箱の写真も添付されていた。段ボール箱には中華民国とオランダの国旗、英語で「Health for all」やオランダ語で「Samen Sterk(手をつなぎ、一緒に強くなろう)」などのメッセージ、握手する手、外交部がデザインしたロゴ(台湾の形と聴診器をモチーフにしたデザインで、台湾のWHO参加を訴えるもの)などがプリントされた紙が貼られていた。
 
外交部はすでに、人道支援の第二弾として、医療用マスク600万枚を北欧、中央ヨーロッパ、東欧のEU加盟国、米国の新型コロナウイルスのまん延が深刻な州、ラテンアメリカ、カリブ海諸国、新南向政策の対象国(東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランド)及びその他の友好国に寄付することを明らかにしている。
 
この発表を受け、スロバキアの台湾における出先機関、スロバキア経済文化弁事処はフェイスブックに「世界が困難に直面しているとき、台湾が救いの手を差し伸べ、必要なものを提供してくれることにスロバキアは非常に感謝している。ありがとう」とする投稿を発表し、台湾への感謝を伝えている。
 

ランキング

新着