外交部（日本における外務省に相当）の徐斯儉政務次長（＝副大臣）は20日午後、外交部において、タイへの医療用マスク寄付セレモニーを執り行った。招きを受けてセレモニーに出席したタイ貿易経済弁事処（タイ大使館に相当）のThongchai Chasawath駐中華民国代表へマスクが贈られた。これは、台湾とタイの深い友好関係や、WHO（世界保健機関）への参加を目指す外交部のスローガンの一文「Taiwan is helping（台湾はいま、お手伝いしています）」を実行していることを表している。
徐斯儉政務次長は同セレモニーのスピーチで、「新型コロナウイルスのパンデミックは、世界中の人々を恐怖に陥れている。どこの国家でも自分の身だけを守ればいいというわけにはいかなくなっている。台湾とタイも同様に新型コロナウイルスの流行や防疫物資の不足という困難に直面しており、台湾は本日、タイへ20万枚のマスクを寄付することとなった。これは台湾が世界各国の人々と手を取り合ってウイルスと闘う意思があることを示すだけでなく、タイ政府と国民に心からの配慮と祝福を送るものでもある」と述べた。
徐斯儉政務次長はさらに、台湾がかつてSARS（重症急性呼吸器症候群）のまん延によって悲惨な経験をしたことを踏まえて、新型コロナウイルスに対する迅速で効果的な防疫対策が、国際的に高い評価を得ていることに言及し、この経験を世界中の人々と共有したいとした。徐政務次長はこのほか、タイが新南向政策における重要なパートナーとなっており、今後、台湾はタイと防疫のための医療や関連する産業において、相互利益のある協力をしていきたいと強調した。新南向政策とは、東南アジアや南アジアのほか、オーストラリア、ニュージーランドを加えた合計18カ国との関係強化を目指す政策。
Thongchai Chasawath駐中華民国代表は、中華民国政府及び台湾の人々からの心のこもった贈り物に対する謝意を表した。現在タイでは、マレーシアとの国境に隣接するタイ南部の三県において深刻なマスクの供給不足が生じている。そのためタイ政府は、台湾から贈られたマスクを関連地域の医療機関へ優先的に配布していくとしている。
外交部は、今後も引き続き具体的な援助を通じて、「Taiwan can help, and Taiwan is helping！（台湾がお手伝いできます。そしていま、台湾がお手伝いしています）」のスローガンを具現化し、国際社会における防疫メカニズムの強化をサポート、政府の専門知識や経験を示し、台湾の人々の思いやりと信念を共有することで、世界へ「台湾を（WHOに）入れることで防疫ネットワークは完全になる」とアピールしたい考えだ。