2024/04/29

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政治

アプリで未購入分のマスクを海外寄付に、「台湾を守り、世界を助けよう」

2020/04/28
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)の陳時中指揮官は27日、3月12日に運用を開始したマスクの「実名制」インターネット予約販売(中国語では「口罩実名制2.0」)のうち、現時点までの未購入分のマスクを海外諸国への寄付に回せるよう、ユーザーが意思表示できる機能をアプリに追加したことを明らかにした。写真は「護台湾、助世界(台湾を守り、世界を助けよう)」と名付けたこのキャンペーンについて説明する陳時中指揮官。(中央社)
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当。中国語の正式名称は中央流行疫情指揮中心)の陳時中指揮官は27日の記者会見で、3月12日から開始したアプリを使ったマスクの「実名制」インターネット予約販売(中国語では「口罩実名制2.0」)のうち、現時点までの未購入分のマスクを海外諸国への寄付に回せるよう、ユーザーが意思表示できる機能をアプリに追加したことを明らかにした。国民健康保険の加入者(あるいは居留証を持つ外国人)は、割り当てられたマスクの購入枚数のうち、実際に購入しなかった数量だけ寄付に回すことができる。マスクの購入費用(1枚5台湾元≒約18日本円)を実際に負担する必要はない。
 
陳時中指揮官は「国内のマスク供給も次第に軌道に乗ってきた。経済部やナショナルチーム(マスクの生産ライン製造のために結集した各メーカー)の努力により、台湾で生産するマスクは質が高いばかりか、安定した生産量を維持している。国際間の助け合いの精神を発揮するため、中央感染症指揮センターは『護台湾、助世界(=台湾を守り、世界を助けよう)』と銘打ったキャンペーンを展開することを決めた。これは国民が、未購入分のマスクを他国に寄付するかどうか意思表示するというもの。国民が自身の意思表示を行なえるようにすることで、政府も国民の心意がどこにあるかを推し量ることができる。そして、その範囲内で海外に無償提供するマスクの枚数を決めることができる」とその意図を説明した。
 
未購入マスクを寄付するかどうかの意思表示は、衛生福利部(=日本の厚労省に類似)中央健康保険署の公式アプリ「全民健保行動快易通」で行う。「健康存摺(My Health Bank)」から「響応人道援助」のページに進むと、「国内の防疫準備に影響を与えないという条件の下、政府が進めるマスクの海外無償提供に協力することを希望しますか?『口罩実名制2.0』(2020年3月12日)が始まって以来の未購入分のマスクを、助けを必要としている国に送り、彼らの医療従事者に優先提供することに同意しますか?」と書かれた画面が表示される。
 
同意する場合は、2つの選択肢がある。1つは特設サイトで氏名を公開することに同意するというもの。もう1つは氏名非公開とするもの。同意者の氏名は翌日、サイト「健康保険資料開放服務網站」で公開される。同サイトの「資料分類」から「其他」を選び、「口罩響応人道援助之前1日同意援助明細清単(=前日までの意思表示者リスト)」を検索すると、前日までに寄付への意思表示をした人の氏名と、寄付に回せるマスクの数量をまとめたリストファイルを見ることができる。あるいはサイト「2020世衛日・護助年」でも検索することができる。
 
このシステムは衛生福利部中央健康保険署の職員が作ったもので、氏名を公開することを選択した場合は、自分の名前から寄付に回すマスクの枚数を確認することができるが、氏名を非公開にしている場合は、自分が実際にどれだけの枚数のマスクを寄付に回すことができるか確認することができない。このため中央健康保険署は今後検索システムを開発し、誰もが自分が寄付に回せるマスクの枚数を確認できるようにするとしている。
 
2020年は世界中のナースをたたえる「看護師と助産師の国際年(Year of the Nurse and the Midwife 2020)」とされている。中国語ではこれを「護助年」と言うことから、「護」と「助」の文字を使い、このキャンペーンのスローガンを「護台湾、助世界(台湾を守り、世界を助けよう)」と名付けることにしたという。
 

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