行政院(=内閣)の李孟諺秘書長と行政院報道官への就任が決まっている丁怡銘氏は19日午後に開いた記者会見で、蔡英文総統の第二期政権開始に合わせて20日に発足する新内閣の閣僚人事を発表した。蔡英文総統から次期行政院長に指名された行政院の蘇貞昌院長(=首相)は、今月14日に内閣を総辞職している。
新内閣では行政院副総統の陳其邁氏など多数の閣僚が留任となる一方、文化部や科技部など6つの部会(=日本の省庁に相当)のトップが入れ替わることとなった。主な動きは以下のとおり。
金融監督管理委員会主任委員の顧立雄氏が国家安全会議秘書長に起用される。顧立雄氏の後任には、副主任委員の黄天牧氏を昇格させる。国家発展委員会主任委員は、行政院政務委員を務める龔明鑫氏が兼務する。文化部長には、客家委員会主任委員の李永得氏が転任する。李永得氏の後任には副主任委員の楊長鎮氏を昇格させる。科技部長には行政政務委員の呉政忠氏を充てる。僑務委員会主任委員には、台北駐タイ経済文化代表処の処長(=駐タイ大使に相当)である童振源氏を充てる。
このほか、これまで行政院報道官を務めてきたKolas Yotaka女史が総統府報道官に起用されることから、後任に行政院簡任秘書の丁怡銘氏を充てる。行政院顧問兼院長弁公室主任の黄致達氏は行政院政務委員に転任する。
李孟諺秘書長は新内閣の特徴について、これまでの路線を継承した「国民に寄り添い、しっかりと働くチーム」だと紹介。そして、蘇貞昌内閣は過去1年余り、アフリカ豚コレラの侵入防止、景気振興、税収の増加などで良好な成績を残しており、とりわけ新型コロナウイルス対策では良好な基礎を打ち立てたことから、関連省庁のトップはほぼ留任とし、これからも引き続き努力してもらうことにしたと説明した。
李孟諺秘書長はまた、新内閣の特徴として多様な人材の抜擢を強調した。例えば金融監督管理委員会主任委員に起用された黄天牧氏は、長く金融関連の省庁で働いてきた生え抜きの公務員であり、副主任委員を最も長く務めてきた人物。台湾米国事務委員会主任委員に起用された楊珍妮女史も、長く経済部で国際貿易関係の業務に携わってきた公務員からの抜擢である。次長(=副大臣)レベルの人事でも、公務員を多数抜擢している。
このほか、教育部の次期政務次長(=副大臣)の蔡清華氏、科技部の次期政務次長の林聡明氏は学術界から起用された人材だ。政界からも、例えば僑務委員会の次期副主任委員の徐佳青女史、客家委員会の次期副主任委員の鍾孔炤氏などが起用された。また、行政院の次期報道官に起用された丁怡銘氏は1970年代生まれと若く、ソーシャルメディアの活用に豊富な経験を持ち、行政院のイメージ刷新の一翼を担うことが期待されている。