2024/05/06

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故宮博物院が「導覧大庁」一新、スマート技術使った大型「ガイドウォール」を設置

2020/05/28
国立故宮博物院がリニューアルされたオリエンテーションギャラリーの使用を開始。タッチパネルを使った幅12mのインタラクティブな「ガイドウォール」(写真)で多様な参観者にフレンドリーな体験を提供する。(中央社)
「国際博物館の日」は毎年5月18日。国立故宮博物院では、「国際博物館の日」の今年のテーマである「平等を実現する場としての博物館:多様性と包括性(Museums for Equality:Diversity and Inclusion)」に呼応し、27日よりリニューアルされた「導覧大庁」(オリエンテーションギャラリー)の使用を開始した。同ギャラリーでは博物院にやってくる様々な参観者一人ひとりのニーズに合う、カスタマイズされた、フレンドリーな参観体験をしてもらおうとしている。
 
本館1階にあるオリエンテーションギャラリーは多くの人が国立故宮博物院を参観する際の起点。ここのリニューアルは参観者の立場を出発点として進められたもので、直感的かつフレンドリーなインターフェイス(操作画面)と赤外線によるセンサーを用いた台湾初の幅12メートルに及ぶ「文物互動導覧牆」(インタラクティブガイドウォール)が設置された。同様の設備としてはアジア最大とのこと。設計のインスピレーションは同博物院で好評な収蔵品、「清紫檀多宝格方匣附珍玩三十二件」から生まれた。同収蔵品は、装飾された美しい木製の箱に仕掛けられた引出しの中に32個の玩具が納められているもの。
 
「インタラクティブガイドウォール」には同博物院の著名な収蔵品300点あまりが収録されており、参観者は自分の興味の向くまま、「インタラクティブガイドウォール」の画面にある桃の形の図案をタップし、ドラッグやスワイプなどの動作を加えることで簡単に収蔵品のデジタル画像や動画を見ることが出来る。また、画像を360度回転させたり、書法(書道)作品の内容を楷書体で読んだりすることも可能。さらにカプセルトイ(いくつか用意された玩具から無作為に1つが選ばれて出てくる仕組み)の方式で、隠された国宝級収蔵品が現れるシステムは子どもたちを引き付ける。この「カプセルトイ」を開けるのはまさに「多宝格」(色々な玩具が納められたおもちゃ箱)の引き出しを開けるかのようで、参観者に驚きをもたらすほか、どんな収蔵品が現れるのか探ろうとさせる魅力に満ちている。
 
「インタラクティブガイドウォール」の設計では親子、高齢者、身体障害者、行動が不自由な人、など様々な参観者のニーズに配慮し、身長などの高さによって使用が制限されないバリアフリーの形にしており、同博物院は、オリエンテーションギャラリーを様々な参観者がみな収蔵品を鑑賞し、参加し、交流し、一休みできる、優しく融和的な空間にしたいと考えている。
 
同ギャラリーの入り口にはまた、収蔵品を紹介するライトボックスも設置し、同博物院の著名な収蔵品である「清院本 清明上河図」の一部を紹介、参観者が同作品に描かれた「虹橋」など細部の素晴らしさを味わえると共に写真も撮れるようにしている。
 
幅12メートルの「インタラクティブガイドウォール」の制作では、台湾のAU Optronics Corp.(友達光電股份有限公司)がグループ企業Space4Money(創利空間)と共にその製品技術力を発揮した。スマート技術を利用したインタラクティブなソリューションで、国立故宮博物院の参観者に全く新しい次世代のインタラクティブなガイドを体験させるという。55インチのハイスペックなディスプレイを20枚組み合わせており、高解像度でノングレア(低反射)、スリムなベゼル幅のデザインとなっている。継ぎ目部分のベゼル幅はわずか1.8㎜でほぼシームレスな仕上がりとなっており、参観者は映像などのコンテンツ全体に意識を集中して、没入式の鑑賞体験を楽しめるということ。
 
 

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