2024/05/02

Taiwan Today

政治

台湾漫画基地、文化内容策進院の舵取りで再出発

2020/05/29
これまで文化部が運営していた台湾漫画基地(Taiwan Comic Base)が28日、文化内容策進院(TAICCA)を運営母体に迎えて再出発した。台湾漫画基地では現在、ロリータファッションの特別展「花漾蘿漫史-蘿莉塔時尚特展」が開催されている。ロリータ漫画とロリータファッションの異業種コラボの展示会だ。写真左は頼品妤立法委員(=国会議員)。(中央社)
これまで文化部(日本の文科省に類似)が運営していた台湾漫画基地(Taiwan Comic Base/台湾北部・台北市華陰街36号及び38号)が28日、2019年11月に発足した文化部所管の行政法人文化内容策進院(台湾クリエイティブコンテンツエージェンシー、略称TAICCA)を運営母体に迎えて再出発した。
 
文化内容策進院は今年3月、台湾漫画基地の空間経営の方針や定義を見直した。その結果、従来の「台湾漫画専属通路(=台湾のオリジナル作品の展示販売スペース)」、「創作者之家(=漫画家の交流を促進するための創作空間と設備を提供するスペース)」、「国際櫥窓(=アーティスト・イン・レジデンス制度による海外の漫画家との交流)」、「台湾のオリジナル漫画のためのマッチング商談会」、「漫画家のための法律相談」の当初の五大機能は残した上で、ソフト、ハード、プラットフォームの3大サービスを強化すること、漫画家の人材育成と産業とのスムーズな連結を強化し、文化内容策進院が有する関連の資源を活用して漫画産業の生態系の健全化に協力することなどを決めた。
 
文化内容策進院の胡晴舫院長は祝辞で、「台漫画基地には各方面が関心を寄せている。これが漫画家の創作拠点となり、台湾の漫画が世界に出て行くための窓口となることを期待している」とした上で、「今日の再出発は、心温まる起点となる」と喜んだ。
 
胡晴舫院長によると、今後は文化内容策進院の舵取りの下、海外の販路開拓に力を入れる。これまでは仏アングレーム国際漫画祭やイタリアのボローニャ国際絵本原画展(イラストレーター展)など、いくつかの決まったイベントに参加していたが、文化内容策進院の全体的な計画の見直しの下、胡晴舫院長は「書籍を海外へ持ち出すだけでなく、漫画のIP(知的財産権)をさまざまな方面で活用し、直接投資家とのマッチングを行い、漫画産業を守り、互いに成長していきたい」と語った。
 
文化部の彭俊亨政務次長(=副大臣)は、「文化部は2018年に『漫画輔導金(=台湾のオリジナル漫画を支援するための助成スキーム)』を発足し、台湾のオリジナル漫画の異業種コラボを支援してきた。現在までにこの助成金によって支援した漫画雑誌は250冊以上で、動画化した作品もある」と述べた。また、「(台湾オリジナル漫画の)生産量を増やすことで、台湾の漫画産業が活発化する。きょうの台湾漫画基地の再出発は大きな意義を持つものだ。将来、ここで形成されるさまざまな異文化交流のプラットフォームによって、この台湾漫画基地が本当の意味で一般大衆のものになることを期待している」と述べた。
 
文化内容策進院は台湾漫画基地のスペースの運営だけでなく、2021年には第9回「巴哈姆特ACG創作大賽(=バハムートACG創作コンペ)」と協力して、新たな賞の開設や賞金の協賛などによって、アニメーション、漫画、ゲーム産業の新たな人材が舞台に立つことを奨励する。
 
「巴哈姆特(バハムート)電玩資訊站」は、台湾のコンピューターゲーム、アニメ、漫画(ACG)を扱った最大のポータルサイト。執行長を務める陳建弘(Sega)さんによると、同サイトはこれまで自力でACG創作コンペを開催してきたが、授賞したらそれっきりで、人材の支援が出来ないことを残念に思っていたという。「今後、文化内容策進院がコンペを支援してくれることで、入賞者の良い作品を市場に導入するためのメカニズムが立ち上がり、出版や賞品開発の機会が得られるよう期待している」と述べた。
 
台湾漫画基地では現在、ロリータファッションの特別展「花漾蘿漫史-蘿莉塔時尚特展」が開催されている。台湾オリジナルのロリータ漫画と実際のロリータファッションという異業種コラボのデザイン展示。6月14日までの開催期間中、毎週土曜にはデザインに関する座談会や、ロリータファッションの試着や撮影ができるイベントも行う。
 

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