2024/05/18

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海巡署の4000トン級フリゲート、「嘉義艦」と命名

2020/06/03
海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)は2日、台湾国際造船公司高雄工場で台湾初となる4000トン級フリゲートの進水式を実施した。進水式に出席した蔡英文総統(前列中央)によってフリゲートは「嘉義艦」と命名された。(総統府)

海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)は2日、台湾国際造船公司高雄工場で台湾初となる4000トン級フリゲートの進水式を実施した。進水式に出席した蔡英文総統によってフリゲートは「嘉義艦」と命名された。

 

「嘉義艦」の設計は、中華民国(台湾)海軍が保有する同じ4000トン級の軍艦を参考にしたもので、米国の設計会社と協力してさらに改良を加えた。海洋委員会海巡署では総工費約117億4,788万台湾元(約426億日本円)を投じ、4000トン級フリゲートを合計4隻建造することにしている。そのうち「嘉義艦」は今年12月に完成・納品し、正式に就役する。

 

海洋委員会海巡署によると、今回の命名は「海洋委員会海巡署艦船艇命名基本原則」に基づく。台湾中南部に位置する嘉義県には、嘉南平原や玉山など台湾の重要なランドマークがあり、県内の漁業生産量は台湾中部の県・市のトップを誇る。海洋委員会海巡署が保有する艦船としては最大トン数を誇る旗艦に相応しい地名であることから、蔡英文総統によって2日、「嘉義艦」と命名された。

 

「嘉義艦」は将来、海上における法令違反の取締り、海難救助や海上での救命などに当たる。また、政府が実施する新型コロナウイルス対策に合わせ、艦内には専門的な医療設備に加え、陰圧室や手術室なども設置することになった。一般病床にもすべて陰圧ブースを設置できるようにし、病原体等が室外に漏洩することを防ぎ、艦内で働く職員の健康と安全を守れるようにした。

 

「嘉義艦」はまた、必要に応じて海軍のS-70Cヘリコプターを搭載することができる。海上で緊急の救難任務が発生した際、ヘリコプターで患者を搬送するなどし、フリゲートとヘリコプターの連携で、任務遂行の範囲を効果的に広げる。「嘉義艦」はさらに、台湾の風力階級で「10級」の強風を受けながらも、航続距離1万カイリ以上を維持することができる。このため将来的には防疫物資を近隣諸国に送り届けたり、国際人道支援に当たる可能性もあるという。

 

「嘉義艦」は全長125メートル、最大幅16.5メートル、最大喫水4.7メートル、最大速力24ノット以上、航続距離1万カイリ以上。ロケット弾発射システム(2.75インチロケット弾)1基、遠隔操作式無人銃架2基を備え、放水砲の射程距離は120メートルに達する。

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