2024/05/05

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政治

台湾が近く口蹄疫の清浄地域に、下期から豚肉輸出再開へ

2020/06/09
台湾は23年間にわたり口蹄疫の撲滅に取り組んできた。行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は8日、国際獣疫事務局(OIE)が近く台湾を「ワクチン非接種清浄地域」に認定するとの見通しを示した。(翁仕傑さん撮影)

台湾では1997年の口蹄疫発生以降、23年間にわたり口蹄疫の撲滅に取り組んできた。行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は8日、国際獣疫事務局(OIE)が近く台湾を「ワクチン非接種清浄地域」に認定するとの見通しを示した。これが実現すれば今年下期以降、台湾産生鮮豚肉の輸出が23年ぶりに再開される。

 

台湾(台湾本島、離島の澎湖及び馬祖。但し、金門を除く)では、口蹄疫のワクチン接種を停止して1年が経過しても口蹄疫の発生が見られなかったことから、OIEに対して「ワクチン非接種清浄地域」の認定申請を行っていた。OIEはすでに関連の審査を終えており、近いうちに台湾に正式な通知を行うことになっている。正式な通知があれば、台湾は日本と並び、アジアで2カ国目の「ワクチン非接種清浄地域」となる。

 

現在、台湾産豚肉は加熱済み、あるいは干し肉などの加工品に限り、少数の国への輸出が認められている。「ワクチン非接種清浄地域」に認定されれば、今年下期から生鮮豚肉の輸出が可能になる。農業委員会の陳吉仲主任委員(=大臣に相当)は、最初の輸出先としてシンガポールを上げており、7月にも台湾産生鮮豚肉の輸出が開始する可能性があると述べている。

 

1997年に台湾で発生した口蹄疫は、台湾に未曾有の被害をもたらした動物家畜伝染病となった。台湾産豚肉の輸出が禁止となり、台湾の養豚産業は600億台湾元(約2,180億日本円)もの損害を被った。

 

農業委員会は2018年7月1日より、口蹄疫ワクチンの接種を停止した。2019年6月30日までの満1年間、口蹄疫の発生がなかったことから、2019年7月1日、OIEに対して「ワクチン非接種清浄地域」の認定を申請することを発表。同年下期に申請報告書など必要書類を提出した。

 

OIEにおける中華民国(台湾)の常任代表である農業委員会動植物防疫検疫局の杜文珍局長によると、5月13日の時点でOIE科学委員会より、農業委員会が提出した報告書が審査を通過したこと、これらがOIEの定める口蹄疫清浄地域の認定要件に合致しているとの通知を受けた。現在、加盟国からのコメントをアンケート形式で回収しており、すべての手続きが終われば正式な通知が行われ、台湾の口蹄疫清浄ステータスが「清浄地域」として認定されることになる。

 

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