2024/05/03

Taiwan Today

政治

口蹄疫の「ワクチン非接種計画」実施目指す金門県

2020/06/18
金門県は2017年9月、国際獣疫事務局に口蹄疫の「ワクチン接種清浄地域」認定を申請し、2018年5月に認定を得た。現在は「ワクチン非接種計画」実施を目指している。(金門県動植物検疫所提供、中央社)
国際獣疫事務局(OIE)は今月16日、台湾(台湾本島、離島の澎湖及び馬祖。但し、金門を除く)を口蹄疫の「ワクチン非接種清浄地域」に認定した。台湾は1997年の口蹄疫発生以来、足かけ24年に渡って口蹄疫の撲滅に取り組んできた。なお、残る金門県については2017年9月、国際獣疫事務局に対して「ワクチン接種清浄地域」の認定を申請し、2018年5月に認定を得た。現在は「ワクチン非接種計画」の実施を目指している。
 
金門県では1999年にO型口蹄疫(O Taiwan)が発生し、2012年には東南アジアのO型ウイルス株の侵入を受けた。2015年にはA型口蹄疫も発生。口蹄疫撲滅のスケジュールに大きな影響が生じた。このため国際獣疫事務局は、台湾を「台湾本島、離島の澎湖及び媽祖」と「金門島」に分けて、地域別に「清浄地域」認定の取得を目指すことに同意していた。
 
金門県は中国大陸に近いことから、口蹄疫のリスクもやや高い。とりわけ2015年のA型口蹄疫発生は、金門のワクチン非接種計画を後退させた。このため金門県は現在も「ワクチン接種清浄地域」にとどまっている。
 
現在、金門県の偶蹄類(ウシ、ヒツジ、シカ、ブタ)は毎年2回、口蹄疫ワクチンの接種を行いながら、血清中和抗体価のモニタリングなどを実施している。金門県では現在、ウシ6,000頭余り、ヒツジ6,000頭余り、ブタ1万頭余りを飼育しており、台湾本島や澎湖及び馬祖と同じように「ワクチン非接種清浄地域」として認められたい場合は、少なくとも3年以上は「ワクチン非接種計画」を実施しなければならない。
 
国際獣疫事務局が「ワクチン非接種清浄地域」を認定する場合、一定の手続きを踏む必要がある。「ワクチン非接種」の実施を目標に掲げる金門県は、すでに国立中興大学(台湾中部・台中市)に委託して「金門県停止施打口蹄疫疫苗之風険分析與質化評估計画(=金門県における口蹄疫ワクチン接種停止のリスク分析と定性的研究)」の作成を進めており、今年12月に完成する予定だ。この報告の結果を血清中和抗体価モニタリング等の試験データとすることで、「ワクチン非接種」の実現に望みをかける。
 

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