株式相場の上昇と米ドル指数の弱まりを受け、台湾の外国為替市場では2日、台湾ドルの対米ドルレートが2.6分の元高となり、終値1米ドル＝29.586台湾元と2年ぶりの高値となった。中央銀行が「防衛ライン」とする1米ドル=29.6台湾元を割り込んだ。
月末の輸出企業によるドル売りが一段落したが、台湾元は依然勢いを見せている。2日の台湾元相場は１米ドル=29.610台湾元でオープン。その後、29.600と29.500の整数の大台を割り込み、一時29.4台まで上昇したが、その後は横ばいで推移。最高値は29.445台湾元で、前日比1.67角の上昇となった。中央銀行が何度か介入したものの、終値１米ドル=29.586台湾元の高値でひけた。
香港への統制を強める「香港国家安全維持法」が中国で成立したこと、アメリカで新型コロナウイルス感染者が急増していることなどから、さまざまな情報が錯そうす中、ある外為関係者は「リスクオフの心情はそれほど濃厚ではなく、ホットマネーの台北株式市場流入も続いており、台湾元のゆるやかな上昇傾向は今後も変わらないだろう」と指摘している。