2024/04/29

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政治

今年上期の輸出額は前年同期比増加、「アジア四小龍」では唯一

2020/07/08
財政部(日本の財務省に相当)が7日に発表した貿易統計によると、台湾の今年上期(1~6月)の輸出額は1580.2億米ドルで前年同期比0.5%の増加となった。今年上期の輸出額が前年より増加したのは「アジア四小龍(台湾、韓国、シンガポール、香港)」の中で台湾だけ。(聯合報)

財政部(日本の財務省に相当)が7日に発表した6月の貿易統計によると、台湾の輸出額は271.3億米ドルと前年同月比3.8%減った。月間輸出額が前年同月を下回るのは4か月連続のこと。

 

また、第2四半期(4~6月)の輸出額は793.5億米ドルで、前年同期比2.4%の減少となった。この減少幅は行政院主計総処の予測より1ポイント少なっかた。

 

今年上期(1~6月)の輸出額は1580.2億米ドルだったが、第1四半期の輸出が好調だったことから前年同期比0.5%の増加となった。但し、これは行政院主計総処の予測である1%増加をやや下回った。

 

輸入額を見ると、6月は222.9億米ドルで前年同月比8.6%減少した。第2四半期では675.2億米ドルで前年同期比4%の減少。今年上期は1366.7億米ドルで、前年同期比0.4%の減少となった。

 

輸出額から輸入額を差し引くと、上期は213.5億米ドルの出超(貿易黒字)となった。これは昨年同期比13.2億米ドルの増加。

 

台湾の輸出額は4か月連続で前年同月を下回っているものの、減少幅はそれほど大きくなく、上期では前年同期比0.5%の増加となった。各国の最新統計を比べてみても、今年上期の輸出額が前年より増加したのは「アジア四小龍(台湾、韓国、シンガポール、香港)」の中で台湾が唯一となっている。

 

なお、今年に入ってからの品目別輸出額の推移を見ると二極化が続き、「強者はより強く、弱者はより弱く」の傾向にあることが分かる。つまり、従来型産業では鉱物製品、紡織品、基本金属、ゴム・プラスチックなどの輸出が数か月にわたり前年同月を下回っている。上期の平均減少幅は2割に達し、これが輸出全体の足を引っ張っている。とりわけ鉱物製品は6月の輸出額が前年同月比65.5%減少し、紡織品は同37.1%減少となった。これは過去最大の下げ幅。

 

一方、ハイテク分野では「電子部品」、「情報通信及びAV機器」の輸出が大きく伸び、従来型産業の輸出減退による衝撃をカバーし、輸出額の大幅な減少を回避している。この2品目の上期の輸出額はいずれも過去最高となり、それぞれ前年同期比で2割と1割の増加となっている。輸出全体に占めるこの2品目の比重は52.1%に達し、こちらも過去最大となっている。

 

特筆すべきは今年6月、「電子部品」の輸出額が111.8億米ドル、「情報通信及びAV機器」の輸出額が40.2億米ドルと、単月の輸出額としてはそれぞれ過去最高と過去2番目に多い水準となったことだ。

 

世界的に見ると新型コロナウイルスはいまだに猛威を振るい、各国の感染症対策による規制緩和はまだ初期の段階にある。このためエンドユーザーの購買意欲は依然低く、これが伝統型産業の品目の輸出が伸び悩む主要な要因となっている。しかし一方で、新型コロナウイルスの影響を受けてリモートワーク関連や5G(第5世代移動通信システム)等の新たな商機が生まれ、「巣ごもり消費」も増えていることから、これがハイテク分野の輸出品目の輸出を底上げしている。

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