2024/05/05

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中央銀行がデジタル通貨を研究、3Qには「小売」型CBDCの概念実証へ

2020/07/09
中央銀行がデジタル通貨の発行に向けて研究を重ねている。すでに「ホールセール」型CBDCの実現可能性を検討、今年第3四半期には「小売」型の概念実証を始める予定。
中央銀行の陳南光副総裁は8日、支払いに関するサービスが目まぐるしく変化する中、国際決済銀行(BIS)による最新の経済報告はデジタル時代における中央銀行の役割を三つ指摘したと述べた。それによると、中央銀行の役割はまず、金融インフラの提供者もしくは運営者としての役割。次に競争を促す役割。そして政策の策定と管理を行う監督者としての役割。
 
デジタル時代の発展により、各国の中央銀行は「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)」の実現可能性を議論し始めている。一方でBISも、適切に計画されたCBDCは支払方法の新たな選択肢となり、運営者としての中央銀行の役割を強めるものと考えている。
 
CBDCの発行を決定したならば、中央銀行は消費者のニーズに応じて、技術的デザインの中での一部取捨選択が迫られる。そこには発行タイプを「小売」型にするか「ホールセール」型にするかも含まれる。CBDCは「小売」型と「ホールセール」型の2つに分けられる。「小売」型は一般の支払いツールであり、使用対象は制限されない。一方、「ホールセール」型は大型の取引や決済に使われるもので特定の対象のみが使用できる。
 
台湾の中央銀行では2019年6月にCBDC研究計画プロジェクトチームを設置し、段階別に関連の研究とテスト計画を進めている。今年3月には第1段階である「『ホールセール』型CBDCの実現可能性に関する研究」を終え、現在は次の段階である「『小売』型CBDCの概念実証」を準備中。今年第3四半期にはスタートする予定。
 
中央銀行はまた、中央集権制の程度、匿名性の程度、取引のプライバシーの管理など様々な要素を考慮する必要がある。さらに消費者と企業は直接中央銀行に口座を開くのか、それとも商業銀行が中央銀行に口座を開設し、個人と企業はその商業銀行を通じてCBDCのデジタルウォレット(財布)を利用するという「二層構造」にするのかなども検討せねばならない。
 
陳南光副総裁は、近年、通貨と支払システムに激しい変化が起きているとはいえ、人々の通貨に対する信頼度こそが安全で効率的な支払いシステムの基礎だと強調。通貨の信頼性の上で中央銀行は民間の金融機関より相対的に優れており、将来のデジタル時代でも引き続きカギとなる役割を果たし、同時に民間によるイノベーションを支持し、競争を促進していくと述べた。
 
 

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