2024/04/28

Taiwan Today

政治

漢光軍事演習、「首長拉致」に初めて三大「特勤隊」が合同で対処

2020/07/10
漢光36号軍事演習で兵士たちが実弾を用いる三軍合同防衛演習が13日より17日まで実施される。今年は首長が拉致されたケースを想定、三大「特勤隊」が合同で対処する訓練も行われる。写真は9日に台湾中部・台中市で行われた訓練の様子。(中央社)
中華民国軍による漢光36号演習のうち、「三軍聯合防衛作戦実兵操演」(実際の兵士たちが実弾を用いる陸・海・空三軍合同防衛演習)が13日より17日まで5日間にわたって実施される。コンピュータを使った兵棋演習は9月14日から18日までの間に、24時間の対抗演習が行われる。演習の目的は、各レベルの指揮官の作戦決定能力及び参謀指揮能力を鍛えること。
 
今回の演習では、沿海での戦闘における海と空への射撃、海からの上陸阻止、空からの着上陸侵攻阻止、特殊攻撃への対抗、台北港と淡水河河口の防衛、後方支援の編制などの大規模な演習が行われる。さらに、重要な首長が敵に拉致された場合や政府の重要な省庁が敵の突入を受けたケースを想定し、憲兵指揮部が内政部警政署(日本の警察庁に相当)及び海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)と連携してそれぞれの「特勤隊」を出動させる訓練を初めて実施する。
 
台湾における三大「特勤隊」とは、黒い軍服を着用することから「夜鷹」という通称で知られる憲兵特勤隊、警政署の維安特勤隊、海巡署の海巡特勤隊。来週行われる演習の実施地点は総統府周辺に限定せず、様々な場所でそれぞれ異なる地形や環境に合わせた訓練を行うということ。
 
淡水河の河口から関渡大橋までは約8キロメートル。総統府など政治と経済の中枢である場所までは20キロメートルあまりしかなく、仮に淡水河の河口からホバークラフトなどを利用した敵軍の侵入を許した場合、そのダメージは計り知れない。このため淡水河の河口は軍にとっての戦略地点であり、来週には関渡、台北港などの一帯で河口を防衛する演習も行われる。
 
漢光36号演習に伴い、全国民の空襲への備えを検証する「萬安43号」演習が14日に行われる。しかし今年の「2020年軍民聯合防空『萬安43号』演習」は例年と異なる。今年は予告した上で区域を分けず、午後1時30分から2時まで全国で(離島も含む)一斉に、国防情報伝達、防空警報、空からの脅威に関する警告システムの演習を30分間実施する計画。これにより警報発出の時間を早めるほか、へき地への警報カヴァー率を改善する。
 
しかし、今年は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染対策に合わせてクラスターの発生を防ぐと共に中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部)の指導に従い、避難訓練や人と自動車に対する行動制限は行わないということ。
 
 

ランキング

新着