2024/05/02

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政治

台東県の鉄花村、10年かけて台湾東部の音楽のパワーを凝縮

2020/07/13
台湾先住民族のミュージシャンやクリエーターたちの拠点として知られる台湾南東部・台東県の鉄花村音楽集落は今年末、創立10周年を記念して、Lawa Ayonさん、発熱帯楽団、スミンさんなど、鉄花村にゆかりのあるアーティストによる合同アルバムを発行する。写真右から3人目は鉄花村を運営する台湾好基金会の柯文昌董事長。(中央社)

台湾先住民族のミュージシャンやクリエーターたちの拠点として知られる台湾南東部・台東県の鉄花村音楽集落は、台湾鉄路管理局の宿舎や倉庫などをリノベーションしたもの。先住民族出身のミュージシャンのアラ・キンボ(中国語名は胡徳夫)さんやパナイ・クスイ(巴奈・庫穂)さんの提案を受け、台湾好基金会(Lovely Taiwan Foundation)が台湾鉄路管理局からこの場所を借り受け、先住民族を中心とした展示・パフォーマンススペースを作り上げた。運営チームの努力により、野草だらけの荒れ放題だったこの場所が、いまや台湾東部を代表する音楽の拠点となっている。この10年間で行ったコンサートは延べ2,700回に達し、台東を訪れる観光客が必ず足を運ぶ観光地の一つとなっている。

 

台湾好基金会は2009年、柯文昌董事長(=会長)が設立した。台湾の地方の村の美しさを世界の人々に知ってもらいたいと考えたのがきっかけだった。しかし、それは10年単位で取り組まなければなかなか成果が得られないもので、鉄花村がその良い例だった。柯文昌董事長は「台湾の良さは音符を使って楽曲を作れること。音楽を通してこそ台湾の良さを感じることができる」と話す。

 

この10年を振り返ると、2016年の台風1号(アジア名:ニパルタック)は鉄花村だけでなく台東に住む多くの芸術家のアトリエに甚大な被害をもたらした。当時、台湾好基金会は鉄花村の再建に力を入れると同時に、台東在住のアーティスト50組に寄付金を提供し、再建費用に充ててもらった。

 

この10年間、鉄花村はただ、より多くの先住民族が故郷で自分の歌を歌えるように、そしてより多くの若者が故郷に戻り、自身の能力を発揮できるような場を与えたいという初心にこだわって活動してきた。設立から10年を迎える今年、鉄花村はかつてここで演奏したことのある歌手たちを招き、「里帰り」コンサートを開く予定だ。卑南族(プユマ族)の南王集落出身の女性3人組グループ「南王姐妹花」、安溥さん、スミンさん、アラ・キンボさん、サミンガ (中国語名は紀暁君)さんなどがコンサートに参加する。

 

これとは別に、年末にはLawa Ayonさん、発熱帯楽団、スミンさんなど、鉄花村にゆかりのあるアーティストによる合同アルバムを発行し、鉄花村オリジナルの音楽の世界を歌うという。

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