2024/05/05

Taiwan Today

政治

新型コロナウイルス感染者累計475人に、海外からの入国者の感染増える

2020/08/03
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)の発表によると、台湾における新型コロナウイルスの感染者は2日までの時点で累計475人となった。そのうち469例目は母国への帰国前に自費でPCR検査を受けた20代のベルギー人男性。男性は台湾中部で洋上風力発電設備を設置するために働いていたエンジニア。台湾中部・彰化県衛生局は直ちに、感染経路特定のために台湾滞在期間中の男性の足跡を調査。男性は彰化県、台中市、台北市、宜蘭県などを訪れていたという。(彰化県衛生局提供、中央社)
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)は8月1日、海外からの入国者6人(いずれも20代~70代の男性)の新型コロナウイルス感染が確認されたこと、母国に帰国するために自費で検体検査を受けた20代のベルギー人に陽性反応が認められたことを明らかにした。このベルギー人男性はIgM抗体が陰性、IgG抗体が陽性で、現在のところ無症状だが、隔離入院して治療を受けている。また、中央感染症指揮センターは2日、親族訪問のためにフィリピンから入国した20代女性1人について、新型コロナウイルスの感染が確認されたと発表した。この2日間の新規感染者を含めると、台湾の新型コロナウイルス感染者は累計475人となった。新規感染者の詳細は以下のとおり。
 
468例目(81日発表)
仕事のために台湾にやってきたグアテマラ国籍者。入国3営業日以内に母国で受けたPCR検査の結果は陰性だった。7月26日の入国後、「検疫旅館」と呼ばれる隔離者専用のホテルに宿泊していた。軽いのどの痛みを感じていたが、30日になってその症状が悪化したため、衛生当局の手配で検体検査を受けたところ、新型コロナウイルスの感染が確認された。衛生当局は直ちに、同じ航空機の搭乗客のうち11人を「居家隔離」の対象とした。
 
469例目(81日発表)
ベルギー国籍の20代男性。今年5月3日に就労ビザで入国。新型コロナウイルス感染を疑うような自覚症状はなく、母国に帰国するために7月29日、台湾の医療機関を訪れて自費でPCR検査を行ったところ陽性を示した。
 
中央感染症指揮センターによると、この男性は血液中のIgM抗体が陰性で、IgG抗体が強い陽性を示していることから、感染の時期は比較的過去である可能性がある。聞き取り調査を行った結果、男性はベルギーにいた今年3月第2週目ごろ、嗅覚及び味覚障害の自覚症状があったという。しかし、当時は新型コロナウイルスの感染を疑うような他の自覚症状はなく、医療機関を2回受診したものの、当時は嗅覚及び味覚障害を新型コロナウイルス感染症の自覚症状の一つという認識が広まっていなかったことから、新型コロナウイルス感染症とは診断されなかった。
 
470例目(81日発表)
フィリピン国籍の船員。7月18日に空路でフィリピンから香港へ向かい、現地で新型コロナウイルスの検査を受けたところ、20日になって香港当局から陽性の通知が届いた。このため船内で隔離していたが、7月30日に船が台湾に寄港したため、救急車で医療機関に搬送。台湾でも検体検査を行ったところ陽性反応が出た。現在のところ無症状。同じ船に乗船していた濃厚接触者19人は全員陰性だったが、14日間の「居家隔離」を受けている。
 
471例目(81日発表)
1月8日に仕事のためフィリピンに渡り、慢性病の治療のため帰国した。7月10日からせきや下痢などの症状があったが、今月28日の帰国の際、空港で行った検体検査では陰性だった。しかし、症状が続いていることと、基礎疾患があることなどを考慮し、陰圧室のある医療機関で治療を受けていた。医療機関で2回の検体検査を行ったところ陽性を示した。濃厚接触者6人が現在、「居家隔離」の対象となっている。
 
472例目(81日発表)
2月22日に出張のためフィリピンを訪問した台湾人。7月28日から全身の倦怠感、下痢、せきなどの自覚症状があった。7月30日の帰国時に検体検査を受け、新型コロナウイルス感染が確認された。濃厚接触者3人が現在、「居家隔離」の対象となっている。
 
473例目(81日発表)
仕事のために台湾にやってきたフィリピン人。7月15日、453例目と同じ便で入国。入国後は集中隔離施設で「居家隔離」を行っていたところ、7月27日になって下痢の症状があり、29日に衛生当局に通報。検体検査を受けたところ、新型コロナウイルス感染が確認された。
 
474例目(81日発表)
5月29日より出張のためにフィリピン滞在していた台湾人。7月24日の帰国後、14日間の「居家検疫」を行っていたところ、29日になって発熱、手足の無力感、頭痛、鼻づまりなどの症状が出たため、衛生当局の手配で検体検査を受けたところ感染が確認された。接触者は合計8人で、うち7人が「居家隔離」、1人が「自主健康管理(通常の生活が可能だが、マスクの着用、毎日の検温などの健康管理や、人ごみを避けることなどが求められる)」の対象となっている。
 
475例目(82日発表)
20代女性。7月31日に親族訪問のためフィリピンから帰国。入国時は関連の症状がなかった。空港で検体検査を受けたあと、家族が運転する自家用車で「防疫旅館」へ移動し、「居家隔離」を行っていた。8月1日になって微熱があり、2日に新型コロナウイルス感染が確認された。現在、隔離入院して治療を受けている。衛生当局はこの女性の帰国便の前後2列に搭乗していた旅客を濃厚接触者と認定している。
 
★★★★★★★
 
中央感染症指揮センターは2日の記者会見で、1日に発表したベルギー国籍の20代男性(469例目)の感染源特定に関する最新の調査結果を明らかにした。それによると、衛生当局はこの男性の接触者310人全員に対して新型コロナウイルスの感染有無を調べるPCR検査のほか、過去に新型コロナウイルスに感染していた可能性があるかどうかを調べる抗体検査を実施している。2日までの時点で、そのうち109人はPCR検査の結果が陰性だった。
 
中央感染症指揮センターによると、男性は台湾渡航以前の今年3月上旬には新型コロナウイルスに感染していた可能性が高い。新型コロナウイルスは発症10日後にはほぼ感染力がなくなるため、今回PCR検査で陽性を示したのは、ウイルスの「残骸」だと考えることができる。しかし一方で、男性が台湾滞在中の5~7月に感染した可能性も否定しないとして、中央感染症指揮センターは国内感染に準じる手法で感染経路の調査を行っており、その結果が出るまで国内感染あるいは国外感染かの認定は行わないとしている。
 

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