中央感染症指揮センター（新型肺炎対策本部に相当）は4日、新型コロナウイルスの新規感染者1名が確認されたことを明らかにした。フィリピンに長期滞在していた50代女性（476例目）で、今月2日の帰国時に行ったPCR検査で陽性を示した。これにより台湾における新型コロナウイルス感染者は累計476人となった。
この50代女性は7月30日に発熱したが、フィリピンでは医療機関を受診していなかった。8月2日の帰国時に、発熱の自覚症状があると自己申告した。入国時に37.7度の微熱があり、たんを伴うせきや筋肉痛などの症状があったため、空港で検体を採取した。その後は集中隔離施設に向かったが、4日になって感染が確認された。現在は医療機関で隔離治療を受けている。
衛生当局は、女性の帰国便に搭乗していた前後2列の乗客を濃厚接触者と認定している。
なお、8月1日に感染が確認されたベルギー国籍の20代男性（469例目）について、衛生当局は引き続き接触者に対するPCR検査と抗体検査を実施している。この男性は今年5月3日に就労ビザで入国。台湾滞在期間中は新型コロナウイルス感染を疑う自覚症状がなかったものの、母国に帰国するために7月29日、台湾の医療機関を訪れて自費でPCR検査を行ったところ陽性であることが判明した。また、血液中のIgM抗体は陰性で、IgG抗体は強い陽性を示している。
男性は訪台前の3月に嗅覚及び味覚障害の自覚症状があった証言しているが、その時点で新型コロナウイルスに感染していたのか、あるいは台湾滞在期間中に感染したのかはいまだ判明していない。
衛生当局は男性の感染経路を調査するため、この男性と接触のあった441人を対象にPCR検査と抗体検査を実施している。中央感染症指揮センターによると4日までの時点で、PCR検査で366人が陰性、抗体検査で382人が陰性を示している。