2024/05/03

Taiwan Today

政治

科技部による多分野のAI相互研究交流会が台南市で開催

2020/09/23
科技部によって台湾の4大学に設けられたAI創新研究センターが四半期ごとに開催する「AI相互研究交流会」が台南市で開かれ、AIに関する最新の業界動向や応用の現状が共有された。(国立清華大学のAI創新研究センターである人工智慧製造系統研究中心のフェイスブックより)
国家全体の政策である「デジタル国家・イノベーション経済発展計画(DIGI+)」と「台湾AI行動計画」などを推進するため、科技部(日本の省レベル)は2018年に国立台湾大学(台湾北部・台北市)、国立清華大学(同北部・新竹市)、国立交通大学(新竹市)、国立成功大学(台湾南部・台南市)の4大学を補助してそれぞれにAI創新研究センターを設立、AI技術の研究開発と応用、人材の育成に特化してきた。また、各AI創新研究センターとそのプロジェクトチームが交流し、切磋琢磨すると同時に産業面でのニーズと結び付けるため、2019年からは四半期ごとに4つのAI創新研究センターが持ち回りで、分野を跨いだ相互研究交流会を開いている。今年は新型コロナウイルスの影響で、7月にようやく1回目を国立清華大学で開催。そして22日、今年の2回目が国立成功大学で行われた。
 
今回の交流会では、明碁逐鹿(BenQ Guru)、米NVIDIA(エヌビディア)、研華科技(Advantech)など業界トップレベルの企業を招き、産業動向を共有。また、11のAIプロジェクトチームがそれぞれ最新の研究成果を、実際の動作を見せるデモンストレーションとパネルなどを使った説明で紹介した。台南市にある国立成功大学で開催したことで、台湾南部の「産学研」(企業、学術機関、研究機関)も参加することが出来、台湾北部と南部による、より多くの技術的イノベーションと提携につながることが期待された。
 
今回の交流会によって各AI創新研究センター及びそのチームは業界の最新動向とAI応用の現状をいっそう深く理解することが出来た。また、世界と業界の結び付きを深めるため今回は特別にNVIDIAを招き、ポスト・コロナ時代にどのように世界のテクノロジーを結び付け、新型コロナウイルスに関する研究と応用をサポートしていくべきかについて意見を聞いた。また、著名な台湾企業である明碁逐鹿と研華科技も参加し、それぞれがスマート医療やヘルスケアに関するIoT(モノのインターネット)の研究と応用を進める中で得た経験や業界の最新トレンドを分かち合った。
 
こうした最新トレンドの共有以外に、各チームは長期の研究によって得られた成果と技術の応用方法を持ち込み、他チームなどと交流。その中にはAIモジュールとソフトウエアの開発で大腸がん再発の予測や新たな治療戦略、バイオマーカーのモニタリングを可能にし、ゲノミクスの臨床試験と薬品開発に新たな契機をもたらすものや、ドローンによる映像をAIによる分析技術ならびに迅速な映像解析と結び付けることで、苗が植え付けられている位置や数量を識別し、耕作地における欠株率と生育状態などを正確に把握出来るようにするものなどがあった。
 
 

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