2024/05/05

Taiwan Today

政治

高雄市の小学校、「ハマセン」の栄華をトイレで再現

2020/10/22
今年で創立113周年を迎える高雄市鼓山区の鼓山国小(=小学校)はこのほど130万台湾元(約474万日本円)を投じ、旧校舎のトイレをかつての駅舎スタイルに改築した。(自由時報)
台湾南部・高雄市鼓山区にある鼓山国小(=小学校)は今年で創立113周年を迎える。この地域は日本統治時代、高雄港駅からふ頭の貨物倉庫まで伸びる支線が敷設され、当時の日本人はこれを「濱線(はません)」と呼んでいた。現在もこの一帯は哈瑪星(ハマセン)と呼ばれている。日本語由来の地名だ。鼓山国小はこのほど130万台湾元(約474万日本円)を投じ、旧校舎のトイレをかつての駅舎スタイルに改築した。往時の駅舎を撮影した写真を貼り、台湾の鉄道模型も設置した。

鼓山国小の高玉山校長は21日、「旧高雄驛」と書かれたトイレ前で児童たちと記念写真を撮りながら、「山、海、駅、町のある鼓山は、かつて高雄で最も栄えたエリアだった」と語った。1900年、日本政府は縦貫線の打狗-台南間を開業・敷設した。現在の寿山山麓から鼓山一路、鼓山二路に沿って鉄道を敷設し、新たに形成した市街地を寿町と名付けた。これが「濱線(=哈瑪星)」の100年に渡る栄華の始まりとなった。
 
このトイレはプラットホームの1番乗場(第一月台)と2番乗場(第二月台)という表記で、男子トイレと女子トイレを分けている。両壁には8種類の列車の模型が飾られている。それぞれ「E200」、「R100」、「DR3100」などの車両番号が書かれた赤いプレートも掲げられ、その下にそれぞれの特色と運行していた時代などが紹介されている。
 
高校長によると、「鉄道」は100年前の「哈瑪星」にとって最も重要な交通手段だった。このため、校内の空間設計においてこれを再現することを決めた。この「旧高雄驛」トイレは、かつて駅や鉄道が地域に与えた影響について展示するスペースになっている。陳列してある鉄道模型は、児童たちをタイムトンネルに誘う。まるで100年前の喧噪や雑踏が聞こえてくるかのようである。
 

ランキング

新着