2024/04/28

Taiwan Today

政治

INGOを台湾での拠点設置に引き付けるため、外交部が英語サイトと統一窓口設ける

2020/12/02
国際非政府組織(INGO)を台湾での拠点設置に引き付けるため、外交部が中国語/英語のウェブサイトを開設。INGOが関連の手続きをより容易に調べられるようにしている。(外交部「INGO台湾設点(Setting up an INGO in Taiwan)」サイトより)
国際非政府組織(INGO)を台湾での拠点設置に引き付けるため、外交部(日本の外務省に相当)が中国語と英語のウェブサイトを開設した。INGOが台湾に拠点を設けるための手続きをより容易に調べられるようにしている。外交部NGO事務会の王雪虹執行長によれば、最近では米国の「全米民主国際研究所(NDI)」、「国際共和研究所(IRI)」、ドイツの「フリードリヒ・ナウマン財団(FNF)」、チェコの「European Values Center for Security Policy」(安全保障政策のための欧州価値センター)などのINGOが台湾に拠点を設置。外交部ではこうした動きに応じて連絡のための統一窓口を設け、専従人員にINGOの関連手続きをサポートさせることにしている。
 
王雪虹執行長は、台湾は地政学上、戦略的意義のある場所であるほか技術的イノベーションの中心でもあると指摘、最近ではさらに香港での不安定な情勢も加わり、従来香港に拠点を設けていたINGOが移転先をさがしているとして、これらを台湾に引き付ける考えを示した。王執行長は、台湾の良さを知ってもらえるほか、アジア太平洋地域及び世界の民主コミュニティの交流を助けることにもなるとしている。
 
王執行長によると、台湾と世界のコミュニティのつながりを強化するため、優れたINGOを台湾での拠点設置に引き付けたいが、主務省庁が多いことや法律的に複雑であることなどがネックになっている。このため外交部はこのほど中国語と英語でのワンストップ型ウェブサイト「INGO台湾設点(Setting up an INGO in Taiwan)」を開設し、重点となる事柄についての情報サービスを提供すると説明した。外交部ではまた、拠点設置にかかる費用や初年度の家賃に対する補助も検討する。こうした情報はすでに各国に設ける在外機構(大使館や代表処など)が宣伝しているほか、財団法人台湾民主基金会による協力を通じて世界のコミュニティに伝えられているという。
 
1日に行われた外交部の定例記者会見で、王執行長はウェブサイトの使い方を自ら実演。同サイトは「ユーザーの立場」と「簡単操作」を原則に設計されており、INGOの台湾における拠点設置を「弁事処(Offices)」、「市民団体(Civil Associations)」、「財団法人(Foundations)」の三つの形態に分類。その上で法律規定を整理して紹介、拠点設置への申請手続きの流れもイラストで示すなど、INGOが様々な事柄を調べられるようにしている。例えば「弁事処」はINGOの台湾における拠点設置で最も簡便な方式で、「弁事処」の項目をクリックして進めば、登録を受け付ける政府機関や必要な書類、雇用や保険、補助、税金に関する申告、口座開設、政府の行う入札への参加などについての情報を得ることが出来る。
 
また、王雪虹執行長は、INGOを台湾に呼びこむルートを増やすため、外交部は「外国国際合作事務財団法人向外交部申請認許弁法」(外国との国際協力業務に関する財団法人の外交部向け許可申請方法)を制定したと明らかにした。それによると、事業や業務が自由と民主、人権と正義、平和と寛容性の三つに合致するINGOならば外交部に申請することで財団法人の名義で台湾に拠点を設置出来る。台湾における資本金(基金)総額も従来の最低3,000万台湾元(約1億850万日本円)から最低1,500万台湾元(約5,430万日本円)に引き下げたということ。
 
 

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