2024/05/05

Taiwan Today

政治

経済部、対中国輸出比重の高まりについて説明

2021/01/05
経済部によると、2020年1月から11月までの台湾の対中国(香港含む)輸出額は1367.4億米ドルに達した。これは台湾の対外輸出全体の43.8%を占め、対前年度比14%の成長となる。写真は台湾北部・台北市にある経済部本庁舎。(外交部)
2020年1月から11月までの台湾の対中国(香港含む)輸出額は1367.4億米ドルに達した。これは台湾の対外輸出全体の43.8%を占め、対前年度比14%の成長となった。中華民国(台湾)経済部(日本の経済産業省に相当)は対中国輸出の比重が高まっていることについて、ニュースリリースを発表して以下のとおり説明した。
 
★★★★★
 
台湾と中国の産業間には、長期にわたって構築されたサプライチェーンの関係がある。中国は、半導体や情報通信技術(ICT)分野で台湾からの輸入依存が高く、その大部分は部品や半製品等の中間財だ。これらは中国で加工され、欧米市場へ再輸出される。最近は新たな科学技術の誕生やリモート関連の商品需要の増加から、電子部品、ICT製品、機械設備等のニーズが増えている。これが台湾のサプライチェーンの出荷を刺激し、対中国輸出を引き続き増加させている。
 
2020年1月から11月までの台湾の対中国(香港含む)輸出額は1367.4億米ドルに達した。これは台湾の対外輸出全体の43.8%を占め、対前年度比14%の成長となった。その主な原因は、新型コロナウイルス対策として都市封鎖(ロックダウン)を行っていた中国の都市が比較的早い段階で操業再開したこと、米トランプ政権による中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)に対する半導体輸出規制の実施前に台湾からの駆け込み出荷が行われたこと、さらには新型コロナウイルスの影響を受けて台湾から東南アジア及び欧州向けの輸出が例年に比べて減り、相対的にこうした国々の輸出比重が下がり、対中国輸出が占める比重が高まったためと考えられる。
 
同時に、台湾と米国の産業の緊密な連結と、米中貿易摩擦に伴う台湾への「振り替え発注」の恩恵を受け、2020年は台湾の対米輸出も成長している。経済部は欧米やASEAN(東南アジア諸国連合)などを対象に、台湾が比較的優位性を持つスポーツ用品や自転車等の産業に焦点を絞り、バーチャル見本市(オンライン台湾エキスポ)、オンライン商談会、オンライン商品発表会などを開催し、台湾企業の世界進出を支援してきた。また、新型コロナウイルスの感染拡大とあいまって盛り上がりを見せた「巣ごもり経済」など新たな科学技術の台頭が、台湾製電子製品の輸出を後押しした。これにより2020年10月以降は、ASEANや欧州向けの輸出がプラスとなり、11月は対ASEAN輸出が10.7%、対欧州輸出が6.8%、対米輸出が17.7%の成長となった。
 
国際情勢に対応するため、各国企業がサプライチェーンの調整を行っている。台湾では、海外進出していた台湾企業の回帰投資が、台湾の対外輸出を成長させている。経済部は台湾の優位性と新南向政策(=中華民国(台湾)政府が推進する主要な政策の一つで、ASEAN諸国や南アジア、オーストラリア、ニュージーランドを加えた18カ国との全方位的な関係強化を目指すもの)対象国のニーズを考慮した上で、これからも「新南向」対象国における商機開拓を目指したいと考えている。具体的にはバイオ食品、スマートシティ、電子商取引(Eコマース)等の分野での協力関係の構築、インド、インドネシア、ベトナム、タイなどでの産業人材の育成、台湾企業のデジタル・トランスフォーメーションの支援などを含む。また、大量生産の必要がある台湾メーカーについては、新南向政策の一環として生産ラインの東南アジアあるいは南アジアへの移転に協力し、世界市場の開拓を支援したいと考えている。

ランキング

新着